2008/03/21

スポークスマン・福田康夫

一向にまとまる気配がないガソリン税の暫定税率と道路特定財源の一般財源化について、福田首相が修正方針を示し、野党・民主党との協議を進めるように指示したとの報道が昨日あった。これで民主党との協議が進み、無駄な道路整備が削減されたり、高止まりを続けるガソリン価格が安くなる道筋が出来たかに見えるが、その内容のあまりのお粗末さから、民主党が到底協議に応じられるものではない、との見方が一般的である。
なにしろ、首相から出された指示では、暫定税率の見直しに言及していないだけにとどまらず、道路特定財源については、時期や額を明示することもなく一般財源化に向けた見直しを行うことを謳っただけという、内容としてはゼロの指示だったからである。事実、民主党の幹部はすぐさまこの指示について「ゼロ回答ということだ」と一蹴したらしく、事態の打開には何の寄与もしないことは明白である。なにしろ、いわゆる抵抗勢力と目されているいわゆる道路族議員からは「このくらいの妥協が適当なところだろう」との声が聞こえてきているらしく、明らかに首相が道路族議員に配慮した指示であることが見え見えである。民主党は暫定税率廃止と道路特定財源全体の一般財源化を強く主張しており、国民に対するメッセージが明確となっている状態で安易に妥協することは考えにくいだろう。
おそらく、政府としてはいったん、ガソリン税の暫定税率が廃止されて値下がりしたあとで、再度税率をあげた場合、国民から強い反発が出てくることを予想しており、その際に責任逃れの言い訳として、協議を呼びかけたが応じてくれなかった民主党に問題があった、と言う論拠で切り抜ける目算なのではないだろうか。しかし、はっきりいってこの内容程度の指示しかできないような福田康夫首相は、単なる政府・官僚の代弁者に過ぎず、これではずっと内閣官房長官として政府見解を伝えるスポークスマンとして、定例会見を開くだけの責務を担っていた方がよかったのではなかろうか。とっとと政界から引退して、山奥にひっそりと佇む一軒家の縁側で、猫を抱きながら日向ぼっこでもしていただくというものが害がなくて幸いというものである。


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