2008/03/22

人はなぜ偽装するのか

最近、また食品偽装が次々と明るみに出て世間を騒がせるようになってきた。大阪の業者がギンダラ科の「アブラボウズ」を高級魚の「クエ」と偽って販売したかと思えば、鹿児島の業者が中国・台湾から輸入したウナギを国産であると産地を偽って販売する。そんなニュースに慣れっこになってしまったのか、報道でも少し触れられただけで以降は殆ど話題にも出てこないようで、船場吉兆やミートホープで発覚したときにあれほどの騒動に発展してしまったのが、不憫でならない。
やはり乳離れできない社長とイケイケやり手女将の組み合わせや、息子にたしなめられるちょっとドモリ気味の名物(?)社長が話題として面白かったからなのだろうが、なぜ吉兆はあれだけ叩かれて、今回の業者が放置されているのか、報道関係者に対する怒りも感じる。一般市民への影響としては、高級料亭が偽装しているよりも、市民の口に入る可能性の高い、今回偽装が発覚した業者の方こそ、徹底して糾弾してほしいものである。一般市民は高級料亭なんて一生、縁などないだろうから、いくら偽装していただいても痛くも痒くもないのである。
それにしても、偽装はなくならないのか。何か悪事を働いた場合に偽装するのは、あくまでも自らの保身のためであったり、組織を存続させるためであったりと、どちらかと言えば受動的な行為であって、それはそれで問題なのだが、本質的には悪事を働いたことを非難すべきであって偽装は副次的な行為である。それに対して、食品に関する偽装事件は、偽装そのものが目的となる能動的な行為であり、消費者が持つ高級志向、ブランド志向を利用した詐欺行為である。
およそマスコミ的には、消費者の側も名前に惑わされることなく、品物を見定める力が不足していることも問題だ、もっと賢い消費者にならなければ、と無責任に啓蒙するが、どれがクエでどれがタラなのかなど、切り身で売られてしまっては分かろうはずがないし、食べてみなければクエとタラのどちらが旨いのかも知りようがない。中国産の野菜類にしても、農薬で汚染されている危険が叫ばれている中、できるだけ回避したいと思っても、産地が表示されていなければ見分けは付かないし、農薬に汚染されているかどうかも個人で判別するのは困難である。
やはり、食品の偽装に関して言えば、再発防止策を取るくらいしか対抗手段は見当たらないが、なにも新しい法律を作る必要は無いのだ。食品偽装を国民全体に対する詐欺行為として対処し、全国民への損害賠償請求を政府が代行して行えばよいのである。例えば、2000円のタラを5000円のクエと偽って販売したのであれば、販売期間にもよるが、その差額3000円×1億人として、3000億円を賠償させるのである。中国産を日本産と言って偽って販売した場合、1日に0.5本程度、1ヵ月で15本のネギを消費すると仮定し、中国産を100円、日本産を200円とすれば、その差額に対して100円×15本×1億人と計算し、1ヵ月販売するごとに1500億円を賠償させるのである。我ながらこの案はすばらしい。この歳入でもって、たまりにたまった日本の赤字をどんどん補填すれば、一気に財政再建は完了してしまいそうである。ぜひとも政府にはこの案の採用を求めたい。アイデア料は控えめに0.1%くらいでまけておくから。まあ、私のお気に入りの罪状「国家反逆罪」でしょっ引いてもいいんだけどさ。


自分一人での試行錯誤では、投資手法の習得に何年もかかってしまいます。
トレイダーのバイブル『短期売買100の鉄則』でトレーディング技術を上げます。

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