2008/03/08

日本の防衛力は大丈夫か、って言われても

中国の国防予算がここ数年、急激に増加しており、ついに来年度の予算で日本を抜き、アジアでNo.1の額に到達した。加えて、中国の国防予算には兵器の新規購入費用は含まれておらず、アメリカの試算では実態として3倍程度に達しているとの報告もある。それに対して、財政再建を進める日本では、97年をピークに毎年削減を続けており、今年度比で0.8%程度、少なくなる見通しである。
この状況に産経新聞の記事で、中国の急伸する軍事力に対して、日本の防衛力は果たして本当に大丈夫なのか、と問いかけるものが掲載されていた。つまり、中国がどんどんと軍備を拡張し、日本に対して軍事的な圧力、あるいは具体的な侵攻を行ってきた場合に、今の日本の防衛力で対抗できるのか、と疑問を呈するものである。確かに、戦後50年以上が経過しても、いまだに日中戦争当時の南京で発生した(と中国が主張している)大量虐殺を引き合いに出してきては、中国人民の中に日本への対抗心・敵愾心を煽り立てるような国家であることを見れば、軍事力で大きく凌駕する状態になるや否や、日本に対して侵攻を計って来る可能性は十二分に考えられる。そのような事態に備えて、軍備を拡張する必要がある、という論調は一見すると確かに説得力があるように思われる。
しかし、よく考えて欲しいのは、本気で中国が日本に対して侵攻、もしくは攻撃を仕掛けてきた場合に、いったい日本の自衛隊が、どれほどの抵抗が行えるのか、という点である。もちろん、中国から戦闘機なり爆撃機なりが飛来する、あるいは強襲揚陸艦を擁する侵攻艦隊が押し寄せてきた、という事態であれば、結果はともかくとして自衛隊の現有戦力でもって、それなりの防衛戦を行い然るべき時期に反撃を行うことも可能であろう。もちろん、弱腰の日本政府に攻撃の指令を出すことができれば、の話であるが。私の予想では、中国軍が九州や北陸に侵攻し、一部地域を占領される事態となっても、日本の政治家連中には、「遺憾の意」を表明するくらいが関の山のはずで、中国がなぜ攻めてこないのかが不思議なくらいである。
しかし、それよりも気をつけなければならないのは、中国がまごう事無き核兵器の保有国であり、その威力の前には日本は抵抗する手段すら持ち合わせてはいない、ということである。もちろん、PAC3などの迎撃兵器が無い訳ではないが、一発でも国土に落ちた場合、あるいは全てを撃墜できたとしても、日本には中国に対して反撃する手段が存在しないことが、日本という国の最大の弱点なのである。核を持つ相手に、対抗できる手段は核のみであることは、既に世界が証明している。あれほどイラクには強気の姿勢で臨んだアメリカと言えど、核兵器を持つ可能性があるイランや北朝鮮に対しては、全くその力を行使することは敵わず、対等の立場で交渉せざるを得ない状況に追い込まれていることから明らかである。インドがいまだにパキスタンに対して、併合や侵略という手段を強行できないのもそのためである。
いまからでも遅くはない。これまでの原子力発電で大量に生産してきたプルトニウムを、今使わずにいつ使うのだ。日本も中国に対抗して核武装を行うことを、本気で考えた方がよい。



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