2008/03/24

なんでもウィニーのせいにするな

日本銀行とは言わずと知れた日本の中央銀行であるが、その松江支店の職員が業務データを自宅に持ち帰り私物パソコンで作業していたところ、インストールされていたウィニーを通じて機密情報が外部に公開されてしまった事が判明した。日銀の内部基準で3区分ある情報機密性のうち2区分目に分類される「要注意」資料だったとのことで、鳥取、島根両県の金融機関に対する検査計画や検査成績など39種類に上る事が分かったらしい。情報を流出させた行員は「ウィニーは削除したはずだった」などと弁明しているらしい。情報には、金融機関の決算見込み、取引先3会社の社名や、要注意先や要管理先から「破たん懸念先へランクダウン」との記述もあったらしい。
情報漏洩と呼ぶのが躊躇われてしまうほどお粗末極まりない事件であるが、これが日本銀行職員のレベルというものなのであろうか。情報を外部に漏らしてしまった責任を感じる事もなく、さも自分には何の非も無いと主張するかのように、ウィニーは入っていなかった、削除したはずだった、などと言い訳に終始しており、これが日本の金融政策の根幹を預かる機関の一員なのかと思うと情けなさと恥ずかしさでいっぱいである。諸外国で、こんな情報漏洩が頻繁に、しかも機密情報が外部に流出するなど殆どあり得ない話であり、日本の金融政策のみならず国家そのものへの信用も失墜しかねない問題であるという認識に欠けているのではないか。
そもそも、ウィニーが入っていなければ、削除していれば、それで問題がなかったはずだと考えるこの日銀職員のコンプライアンス感覚が既に世界の標準的な取り組みとは大きく遅れている、ということになぜ誰も気付かないのか。マスコミにしても、ウィニーのせいでまた流出事故が起きてしまった、などと半ば諦めにも似た感覚で報道を繰り返すのみで、それが世界的に見てどれほどおかしいことなのかすら分からないほど、麻痺してしまっているのではなかろうか。業務上の重要情報を、家で、しかも私物のPCを使って作業するという行為自体が問題なのであって、ウィニーが入っているとか、情報が流出したとかいうのは、当然の成り行きであってさほど重要な事項ではないのである。
現在、世界的に見れば情報セキュリティの観点で、企業活動で使用するPCはあくまでも企業内部にとどめておき、情報の流出を極力回避する、というのが当然になっており、既に防衛策などですらなくなっているのが現状である。にも関わらず、うぃにーを使っていたから、削除したつもりだったから、などという子供じみた言い訳が通用すると思っているあたりが、いかにもビジネス感覚に欠けた島国能天気民族・日本人らしい発想と言えよう。こんな程度の対応すら取れない日本が、やがて世界の情報共有の輪からはじき出されてしまうのはもう目の前に迫っているのではなかろうか。アメリカに、次期支援戦闘機F-22ラプターの情報提供を拒まれたように。。。


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