2008/03/03

それは鹿で十分だろ

2010年に奈良で開催される予定の、平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターが公表され、愛称を募集したところ、あまりに酷いデザインに市民から苦情が殺到し、主催者が対応に苦慮しているらしい。そのキャラクターは、12人のデザイナーに依頼し、提示された21点の中から選ばれたらしく、祭りを盛り上げるのに欠かせない市民に対しては何の相談もなく、県などで作る「平城遷都1300年記念事業協会」が勝手に決めてしまったようである。普通、キャラクターを決める場合には、市民から公募したりというのが一般的かと思うが、田舎の地方都市ではそのような発想もなければ、自分のセンスが相対的にみてどのくらいなのか判断する材料もないにも関わらず、誰に相談することもなく決めてしまったようである。
そのキャラクターとはシカの角を生やした小坊主なのだが、古都である奈良に点在する無数の神社・仏閣というイメージと、別名「鹿公園」とも言われるほど有名な奈良公園の鹿を巧みに取り入れており、大変に可愛らしい印象を周囲に与えつつ、京都とは明らかに異なる奈良のイメージを明確に打ち出す、非常に優れたデザインなのだそうだ。市民からは、坊主に鹿の角を生やすとは侮辱だ、などとする苦情が相次いでおり、「1300年祭を救う会」まで結成されているらしい。そのイメージキャラクターとはこれだ!






ひどい、ひどすぎる。いや、ひどいという程度では収まらなくくらい、ありえないデザインである。いくら奈良が地方の片田舎で流行に取り残されているからといって、このイメージではあまりの情けなさにPRに使う気がおこるどころか、存在をひた隠したくなってしまうのではないだろうか。こんなものが店先に飾られていたら、お店のセンスを疑われて観光客など寄り付かなくなってしまうのではないか。これなら鹿の子供、いわゆるバンビちゃんだけをモチーフにしたデザインの方がはるかに奈良をイメージしやすく親しみも湧こうというものである。なぜ小坊主の頭に鹿の角を生やして、しかもそれに対して何ら違和感を感じることなく採用してしまったのか、奈良の小役人どものセンスは全く理解に苦しむところだ。はっきり言って、奈良に平城京が出来て以来、1300年間で最大の屈辱と言っても過言ではないほどの情けなさで、目にするたびに悪寒で鳥肌が立ってきてしまう。
普通、地方で何かイベントがある場合には、各地で働いているであろう出身者達が、なんとなく話題に出すことでPRにつながる可能性があるが、このデザインでは話題に出しただけで各人のセンスを疑われてしまうし、笑い話のひとつになるくらいで誰の興味も引かないこと請け合いである。こんな劣悪なデザインを使用させられてしまう奈良の人々が不憫でならない。怖いもの見たさでやってくる奇人変人を除外すれば、観光客の誘致活動に対する影響はゼロどころか大いにマイナスとなるであろう。奈良の鹿達よ、深夜の公衆トイレを徘徊してトイレットペーパーを食い散らかしたり、幼稚園に植えられている葡萄を食い荒らしたりする暇があったら、このキャラクターが印刷されたパンフレットを食い尽くしてくれ。。。


鹿:「こんなもの食ったら消化不良になるだろ!」


ごもっとも・・・・・
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