2014/09/18

スコットランドの独立は実現するのか

9月18日、スコットランドでは英国からの独立に向けた住民投票が実施されるが、その結果に世界が注目している。とりわけ、欧州委員会、要するにEUの首脳は、スコットランドが独立した場合もEUに留まる意向を示している事にたいして、再度の加盟申請が必要になるとの見解を示し、EUへの加盟状態を継続するのは困難だと述べている模様。もし、EUの経済圏から切り離されてしまうと、どうなるのか、これまでに実例が無いので難しいが、おそらく経済的には厳しい立場に追いやられることになるのではなかろうか。英国という大きな国の1地方として存在してきたスコットランドが独立するのが是か非かはともかく、厳しい船出になることは間違いないだろう。

英国の一部であるスコットランドが独立するのは、その地域だけの問題ではなく、例えばウクライナからの独立を宣言したクリミアや、中国とは異なる政府が存在するにも関わらず、国家としては承認されていない台湾はどうなるのか、という問題にも繋がってくる。個人的にはそこに住んでいる人間が独立を望むのであれば、それは認めるべきではないのかと思うのだが、その独立運動が他国の扇動によって起きているのであれば、話は別である。ウクライナの場合はまさしく、ロシアの暗躍によってなし崩し的に決められた独立だし、スコットランドにしても、何の情報も無いが、英国に敵対する国々が影響を与えている可能性は考えられる。

日本にしても、米軍基地に反対を続ける沖縄の人々が、日本からの独立を口にすることもある。沖縄が独立した場合、日本だけの影響にとどまらず、東アジア全体の安全保障に大きな影響があることを考えると、なんらかの影響が中国なり韓国なりから与えられていると考えるのが妥当であろう。沖縄から米軍が撤退するだけで大きなインパクトがあるが、日本から沖縄が独立した場合、たいした軍備もなく後ろ盾も無い琉球王国は、瞬く間に中国の影響下に収められてしまうであろう。当然、そういう思惑も考慮した上で、沖縄の独立運動に対応するべきであるが、スコットランドの独立で、沖縄独立の気運が高まってきた場合、果たして日本政府はうまく事を納める力があるのか、非常に不安ではある。

なにはともあれ、今日の住民投票の結果は、注視したいものである。