2020/04/19

新型コロナの推移をグラフ化した

やれ緊急事態宣言だ、10万円の一律給付だ、とパフォーマンスしかすることないのか、という政治家たちの動きもさることながら、報道でもセンセーショナルに感染者が1万人を突破だの、東京都の新たな感染者が1日200人を超えただの、ピンポイントの情報しか伝えておらず、全体としてどういう状況なのか、統計的に図って説明したものがまるでないため、厚労省の発表資料から(これも、日々の情報を伝えるだけで、だからなんなのか、というところは無し)、数値を拾ってグラフ化、統計的に考えてみる事にする。

さて、分析してみると、PCRの検査数は、2月中旬以降、遅滞なく増加してきている。それにあわせて感染者数も増加傾向で、まったく増加率が鈍化する気配はなく、新型コロナウイルスは、現在も絶賛拡散中であることがわかる。では、検査した結果、陽性者がどのくらい出ているのかを陽性率(右上のグラフ)で見てみると、これも3月上旬から4月にかけて、右肩上がりになっている。検査が進むと、感染者が増えるのは当然だが、3月上旬は100人を検査すると5人くらいで感染が発見されていたものが、4月中旬になると、100人を検査すると10人以上で感染が発見される状態となっている。

感染の可能性がある人間を対象に検査することになっているが、陽性率が上昇しているということは、無症状の人間が一定数いることを考慮すると、可能性が無いと判断された人間にも、感染者が発生している可能性が高く、見過ごされている感染者も増加していると考えられる。つまり、市中感染者が増加、蔓延が始まっているという事だ。このあたりは、なんとなく伝えようとする報道も無いわけではないが、報道の大部分は緊急事態宣言による影響や、休業要請にも関わらず営業を続ける店舗を利用しようと他県から押し寄せる不届きものなど、耳目を集めそうなものばかりとなっており、実情を伝えるものは少ない。

それよりも気になるのは、2月下旬は検査数の少なさに対して陽性率が非常に高かったものが、3月初旬になると、突然、急降下して半分以下になっていることである。左下のPCR検査数についても、3月に入った途端に、急激な増加を見せている。これは、2月下旬に報道番組で、感染研のOBがPCR検査の拡大を妨害している、と言うものが伝えられた結果、危機感を覚えた誰かが、検査数の増加を指示したなどの背景があるのではないかと思われる。

しかし、問題は、2月段階では、現在と同じくらいの陽性率が確認されていたことだ。検査をそれほどしているわけではない、にもかかわらず、高い陽性率が確認される、ということは、確実に感染が疑われる人間だけを検査していたということで、この時点では、蔓延していたとは言えないものの、感染しているが検査を受けていない人間が発生していた可能性が非常に高く、そこから2週間程度が経過した3月8日あたりから、感染者が大きく伸び始めた事の一因と推察される。つまり、感染研がPCR検査の拡大を妨害した結果、今の市中感染者が増加し、国内で新型コロナウイルスが蔓延する引き金となった可能性がある。

OBが誰なのか明らかにされていないが、きちんと背景を調査した上で、然るべき責任を取らせる必要があるだろう。しかし、こういう情報が一向に発表もされず、報道機関が独自に分析したものを公開するわけでもなく、どういう事なのかと思うが、もしかすると、意図的にこういった情報が隠蔽されているのかも知れず、もしそうだとすると、そのうち黒い服を着た人たちが、うちのインターホンを鳴らすのかもしれない。


2020/04/18

10万円支給自己申告性のナンセンス

前回、安倍政権では緊急事態宣言など出せるはずがない、と言った翌日に、予想に反して緊急事態宣言が発令されたのは大変申し訳ないと思いました。ただ、言い訳するわけではないが、中身を見ると、実効性や具体性に欠けて、結局のところ、国民各自の自主性に頼ったお願いでしかなく、まったく強制力を持たない宣言にどれほどの意味があり、これで果たして新型コロナウイルスの感染拡大を抑止できるのかは、甚だ疑問である。7日の発令から早くも10日が経過したが、いまのところ、感染者の拡大は加速しており、効果のほどは見えない状況である。

そんな中、自粛要請に応じてくれた事業者や労働者に対して、所得が減少した人を対象に最大30万円の給付を行う方向で調整していた所得補助であるが、野党や公明党からの圧力に加えて、拡大が続く感染増の状況を受けて緊急事態宣言を全国に拡大したこともあり、一律1人あたり10万円の給付を行うことになったわけだが、その支給を行うためには自己申告を必要とするとの発言があり、波紋が広がっている。すかさず、必要としている人を含めて可能な限り幅広く、かつ速やかに支給する必要があるにも関わらず、いったいどうやって実施するのか手段もまるで見えていない申告性を言い出すのは、払いたくないと思われても仕方のない愚策としか言いようがない。

ウイルスの感染拡大が懸念されるため、実現するとは到底思えない窓口での申請はもちろんのこと、インターネットや郵送での申請にしても、システムをどう準備するのか、本人の確認や重複申請の防止をどうするのか、など課題が山積することは目に見えており、ナンセンス極まりない。さすがは現実が見えていないマフィアのボス、、、失礼、マフィアのボスはもっと現実的か、、、元総理の発言と言えよう。

現実的に、速やかに全国民に対して支給するのは非常に困難ではあるが、一律の支給だからと言って、すべてを同じタイミングで実施しなくてはならない、という決まりがあるわけではなく、個人を特定できて支給できるところから順次、支給していけばよいのだ。個人を特定して連絡するためのシステムとして、日本に存在して活用できそうなものとしては、ねんきん定期便、または選挙システムがある。いずれも、少なくとも数年に一度は、全有権者、または年金支払い者に対して連絡しており、確実に連絡できる体制が整備されているのは明白である。このシステムを活用、まずは連絡できる大人に対して支給を進め、子供がいる世帯については、同封された子供向けの申請票などを利用して、インターネットなどで申請してもらえばよいのだ。

このくらいの案が、安倍総理の周辺にいる官僚から出てこないのが、いまの日本の不幸であり、情けないところでもある。猛省を促したい。

2020/04/05

安倍政権では緊急事態宣言は出せない?


2020年4月5日、東京では新型コロナウイルスの感染者が、1日で新たに143名と、急激に増加してきており、小池都知事から、早期の緊急事態宣言を出してもらうよう、政府に申し入れがなされている。しかしながら、いまの政権、いわゆる安倍総理の下では、緊急事態宣言が出されることは無いであろう。なぜなら、これまでの安倍政権が行ってきた政策、実績をみれば如実に分かるが、難しいことは何もできていないのだ。

外交面では、さまざまな国を訪問し、ODAなどを通じた経済支援を行ってきたが、やるということを決めさえすれば、あとは役人が勝手に(というと語弊があるが)処理や手続き、調整を進めて、実績を積むことができる。慰安婦や徴用工問題についても、具体的な進展は一切ないが、優遇の打ち切りや非難声明を出すだけで、なにか成果があったかのように思わせてきた。一方、尖閣諸島の問題については、具体的に中国側となんらかの交渉や妥結する目途はおろか、糸口すら見えておらず、国家間での調整や交渉が必要となるため、玉虫色の声明を出すのが精いっぱいである。

内政面においても、アベノミクスが掲げる3本の矢を見ればわかるとおり、日銀に指示を出せば勝手に策を考えて対応してくれる金融緩和と、政治家も官僚も自分たちの懐が痛むわけではなく、(痛むのは我々国民の懐である)呼びかければ嬉々としながら皆がこぞって持ってくる公共投資は、何の調整や手腕も必要とせず実績として見える(その効果があるかないかはともかく、実施することだけは簡単である)。しかし、各方面と調整し、何をどう変えることで、どういう効果を生み出すのか、といった、規制緩和によるイノベーションの推進については、なにか緩和されたものも見当たらなければ、政策の結果、生まれたイノベーションというものも存在しない。もちろん、民間企業が自律的に生み出したものはあるが、それは安倍政権の成果と呼べないのは当然である。

つまり、安倍総理にはさまざまな調整が必要となるような政策的な成果を出す力はないのだ。意欲を見せている憲法改正だが、これもはっきりいって、改正するだけなら、後先考えずに簡単に実現できる。もちろん、賛同者を増やす、という努力は伴うが、改正とあわせて、自衛隊の在り方を見直すとか、国防方針の目標をどこに置くのか、という事を考えなくても実現できるのだ。要するに、玩具を与えられた子供が夢中になって、捏ね繰り回している状態である。それに対して、緊急事態宣言は、声明を出せば終わりではなく、それに付随して補償の方式や対象の選定方法を、出来る限り不平を生まない方向で調整したり、財源をどこからもってくる、足りない分はどこを削る、などの様々な検討や調整が必要なってくる。こんな難しい話を安倍総理がリーダーシップを発揮して解決できるとは、いくらなんでも買いかぶりというものである。

結論から言えば、左翼政党や支持者が安倍総理に退陣を促していたのは間違いではないが、退陣させなければいけない理由は、彼らが声をあげている、安倍総理が日本を戦争に導くなどといったものではない。戦争できるような体制や法令、仕組みを整えようとすれば、様々な調整や各方面、世界の国々との軋轢、軍としての方向性などを多岐に渡って考えなければいけなくなるが、そんな難しいことを行うような能力は安倍総理にはない。退陣させなければいけないのは、そもそも、そういう能力がないからであって、左翼政党およびその支持者の皆さんが失敗してきたのは、安倍総理に対する危機感が強いばかりに、できもしないことを安倍総理が成し遂げるかのように思い込み、それを退陣の理由にあげてきたことだ。単純に、安倍総理は能力が低く、有事にあたって、機動的な運用も責任感ある判断も、解決に向けたリーダーシップを発揮することもできない、という点をもっと強く責め立てれば、早々に退陣させられること、間違い無しであろう。

と思ていたら、どうやら明日、緊急事態宣言を出すことになったようだ。聞くところによると、医師会からの圧力に屈しで発報することになったそうで、なんとも安倍政権らしい結末と言えそうだ。