2008/04/22

参議院は必要なのか

政府自民党がガソリンの暫定税率を復活させた場合、民主党ら野党は参議院で福田首相に対する問責決議案を採択する事で一致したようだが、法的根拠が存在しないことから政府としては無視する方針を固めた模様だ。
確かに、参議院で問責決議案が採択されたからと言って、福田首相には辞任する必要もなければ政策を転換する必要も無い。参議院には首相を更迭する権限もなければ衆議院で決定した事項を覆す権利もなく、ただ単に無力感に打ちひしがれながら目的もなく議論を繰り返す事しか出来ないのだ。こんな、なんの権限も与えられていない参議院など、果たして必要なのだろうか。そう考える国民は多いだろう。
答えはイエスだ。過去、日本の政治で国民の間に、政府自民党に対する不満が鬱積した時は、概ね都合よく参議院の選挙が行われ、野党が過半数の議席を獲得してきた。その度に国民は溜飲を下げて「これで日本は変わる」と両手を挙げて乱舞するのだ。しかし、しばらくすると、何も変わらないと言う事に気付き、失望すると共に政府自民党に対する憤懣もいつの間にか忘れ去られてしまう。
そう、国民の政府に対する不満を爆発させながら、その実、何の権利も与えずに事態を沈静化する、そのために参議院は欠かせない存在なのだ。次の衆議院選挙では、参議院で自民党が敗北した反動で、愚かな国民は再び自民党を選択するのだ。高齢者医療制度でなけなしの年金を奪い取られても、ガソリンが高騰しようとも、餓死者が何人出ようとも、この国は決して変わりはしない。愚かな国民のいる限り。

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