2008/08/19

株式CFD、ありえません

毎日やってくる、いろんなメルマガの中に掲載されていた広告で、ひまわり証券が株式CFDという金融商品を日本で初めて開始したというものがあり、なんだと思いちょっと確認してみたところ、一言で言えば外国為替証拠金取引、いわゆるFXの株式版であることが判明した。
FXはこのサイトでも、お金を儲けられる手っ取り早い方法(ハイリスク・ハイリターン)として掲載しているが、まさかそれを株式でやろう、なんて無謀極まりない商品を出してくる会社があろうとは夢にも思わなかった。為替相場であれば、世界の情勢や金利のバランス、国内外の景気などからある程度とは言えど先を見通すことはできる。もちろん、先を見通したからと言って、必ずそうなるわけでは無いのがFXのリスクなのだが、それでもそれなりに指標が分かるのはありがたいことだ。
それに対して株式は、企業の業績や市場の思惑、株式市場全体の流れや金利、為替の変動に、その企業が行っている事業そのものの成否など、あまりにも多くの要素が絡んでおり、例えばある企業の株がこのところ徐々に価格があがっているが、これがいったい何に影響されているのか、正確に説明することはできないだろう。また、どこかの会社がM&Aを仕掛けてきたりすれば、もう株価がどうなるかなど誰にも予測できないのだ。そういう不確か極まりない株式に対して、CFD(証拠金取引)を行うとは、海の真ん中でエンジンも帆もなく、海図もコンパスも無い状態で筏に乗って揺られている状態と変わらない。これからどこに行くのか、いつ波がきて沈むのか、誰にも分からないのだ。加えて、このひまわり証券の株式CFD、他にもリスクや虚偽では無いが誇大ではないかと思われる説明がいくつもある。
??.手数料0円
取引の金額が一定以上であれば、手数料が0円となっているが、それは取引金額そのものに手数料分の金額が含まれているからであり、0円というのは明らかに説明不足ではないか。よく読むと注釈の部分に、取引金額には0.2%の手数料分が含まれている、と記されている。これって問題ないのか。金融庁に確認してみよう。
??.為替変動リスク
外国の株式を取引することもできるが、その際に預け入れた証拠金は、あくまでも日本円で保有されるらしく、為替相場が変動した場合には、証拠金が不足する可能性があるらしい。株式の上下動に加えて、為替相場にも影響されるのは、単なるリスクの上乗せでしかない。本来なら、ドル建ての株取引を行うのなら、証拠金などはドルで保有すべきだろう。
??.配当金
株式を「買い」で保有している場合は、証拠金取引で扱っている何倍かの株式に相当する分の配当金を受け取ることができる。例えば、10万円の証拠金で、100万円分の株を取引しているとすれば、100万円に対する配当金を受け取ることができる。Gool!
しかし、逆に「売り」で保有しているときは、配当金に相当する額をなんと「支払う」必要があるらしい。う~む、配当金を支払う必要のある金融商品など初めて聞いた。取引している企業の業績が非常に好調で、とんでもない額の配当を出してしまったら、それだけで支払い能力を超えてしまうことも考えられるのでは。。。。恐ろしや・・・・
上記のように、いろいろな問題を株式CFD、金に目が眩んだ日本人が飛びついて、他の証券会社もこぞって同じような商品を出してくるのか、様子を見てみたいものだ。ただ、ひとこと付け加えるなら、この仕組みは株式が上がろうが下がろうが、証券会社だけは絶対に損をしない仕組みになっている、と言っておこう。なにしろ、手数料で利益をあげるビジネスモデルなので、顧客が損をしようが得をしようが、お構い無しだからだ。まあ、それはどの金融商品もたいがいは、そうなんだけど。

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