2008/08/11

宮崎商、負けるべくして

第90回全国高校野球選手権記念大会第9日目の第一試合、宮崎商業と鹿児島実業、九州勢が激突した好試合は、12回表に3点を追加した鹿児島実業に軍配が上がった。
テレビや解説では、12回まで好投してきた赤川投手が力尽きた、との論調が大勢を占めているが、実際は11回裏の明らかな采配ミスでみすみす宮崎商業がサヨナラのチャンスを潰した結果、敗戦の憂き目を見たのである。
11回裏、宮崎商業は四球などを絡めて1死1、2塁の好機を迎えた。そこで打席に立ったのはここまでノーヒットの9番バッター。その直前、バントを命じていた8番バッターは、よくボールを見極めて四球を選び、1死1塁から1死1、2塁にチャンスを拡大させた。ここで監督は強攻策に転じ、結果、本日は全く当たりの出ていなかった9番バッターはダブルプレーに倒れ、サヨナラ勝ちのチャンスをふいにする。この直後、3点を奪われた宮崎商業は残念ながら甲子園を後にすることとなった。
野球に「タラレバ」は無いという。しかし、この采配は明らかに監督の判断ミスであった。ダブルプレーを防ぎ、サヨナラのチャンスを呼び込むため、8番バッターに2死になってまでも送りバントを命じておきながら、全く当たりの出ていない9番バッターに強攻策を命じる悪辣な指揮。本来であれば、9番バッターに送りバントを命じた上で、今日、当たりの出ているトップバッターに全てを託すべきであった。
甲子園には魔物が住むという。しかし、今日の敗戦はそんな魔物などとは何の関係もない、高校球児にも何の関係もない、監督の誤った判断のお陰で、勝敗が決した類まれなケースとなった。宮崎商業の選手たちには、悔やんでも悔やみきれない敗戦であろう。この監督が来年以降もこの高校で指揮を執るのかと思うと、やるせない思いである。球児のプレーに対して、あーだこうだと難癖をつけるのは感心しないが、監督ともなれば話は別である。即刻、責任を取って退任することを要求したい。

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