2008/08/14

物言う納税者

日経のサイトを見ていたところ、日本の納税者に、税を納めているという意識が低いのは、源泉徴収制度のために、自分が税金を納めているという意識が無いことが原因だ、だから自己申告、つまりは確定申告をそれぞれの労働者が行わなければならない制度に改めるべきである、という論調の記事が掲載されていた。
それに対して、源泉徴収にはメリットもあり、複雑な手続きを全員が個別に行うことによる行政側のコスト増を回避するというメリットのほかにも、納税者自身が確定申告のために時間を割かなければならない、という事態を回避できるというメリットがある、という論調の解説もあった。
確かに、納税者意識の低い一般労働者の、政治に対する無関心のおかげで、政治家や官僚は自分たちの利権を守り拡大することに注力し、はっきり言ってやりたい放題である。しかし、結局のところ、サラリーマンの納税制度をどうするのかは行政に委ねられているのだ。今、国民が納税者意識を持っていないことで、最大の恩恵を享受している政治化と官僚が、今後の納税制度をどうしていくか、という意思決定の権限を持っているのだ。
外野の新聞記者などがどれほど「こうした方がいい」「こうすれば納税意識が高くなる」などと意見を出しても、納税意識が低い方が恩恵を大きく受けることができる人間が、それをむざむざと失う方向に政策を打ち出すことは考えにくい。やはり、制度がどうとか言う話はともかく、納税者が自分の生活を守るためには、政治と生活が直結しているのだという、当事者意識を持てるかどうか、その一点にかかっているといえよう。

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