2008/08/24

日本は人事を尽くしたか

今日、8月23日、日本野球界のひとつの歴史に幕が下ろされた。昨日のオリンピック準決勝で敗れた韓国戦に引き続き、銅メダルを目指した3位決定戦においても、米国の前に8-4で惨敗を喫した。シドニー、アテネと獲得してきたメダルにすら手が届かず、準決勝に進んだ他の3チーム、アメリカ、キューバ、韓国には合計5回試合をして、1勝を挙げる事すら出来ないという、お寒い有様であった。これで日本国内の野球人気を復活させようと思っているとは、絵に描いた餅と言うにすら値しない、単なる妄想だと斬り捨てるしか無い。
それにしても、日本がここまで力を発揮することも出来ず、惨敗を喫したのにはいくつか理由がある。

  1. 選手に何がなんでも金メダルを獲るという執念が欠けていた
    なんと言っても韓国の気迫溢れるプレーや、女子ソフトボールの上野を見ればわかるとおり、腕が折れても戦い続ける、そういう気迫に欠けていた。「我々はプロ」と散々口にしていたが、悪い意味のプロ根性が出たと言えよう。オリンピックで金メダルを獲っても、特に自分の査定に響かない、無理をして怪我をしたら選手生命にかかわる、そういう思いがあったという他ない。だが、そういう選手を選んできた、監督を始めとする首脳陣の判断に問題があったというだけで、もともと気迫に欠ける選手に、オリンピックにやってきてから、気迫を出せというのは無理な話だ。
  2. 勝負どころで登板した岩瀬・川上の2投手が尽く打ち込まれた
    調子の良し悪しがあるのは仕方ないが、ここぞという場面で出て来たにしては、あまりにもお粗末な投球が目立った。同点の場面で、緊張するのは分かるが、それでも勝つ、押さえるのがプロでは無いのか。はっきり言って、韓国戦、アメリカ戦で全く出番を与えられなかった藤川、上原らを登板させた方がまだ良かったくらいだ。だが、これも監督の采配、判断なので選手だけを責めることは出来ないだろう。
  3. 怪我人が多く、想定していた打線を組むことが出来なかった
    怪我人が多かったのは事実だが、そもそも怪我を抱えているような選手や、今シーズン、あまり活躍していない、あるいは二軍で調整を続けているような選手を代表に選出した、監督や首脳陣の責任が問われるべきだろう。なぜ今期、既に16勝も挙げている岩隈を選出しなかったのか、なぜ岩瀬や川上といった、中日出身の投手に偏っているのか、それこそ、監督の選手選考のエゴと言わざるを得ないのではないか。
  4. 精神的に中心となる選手がいなかった(追記)
    WBCの時を思い出して欲しいが、あの時はイチローが中心となりチームの精神的な柱となり、一丸となって戦う集団としてまとまることができた。投手にしても、あの時は先発陣に松坂と上原がいて、彼が打たれてしまったらもう諦めるしかない、という中心的な選手がいた。それに対して、今回の日本代表はどうだろうか。投手はダルビッシュ、和田、杉内とコマは揃っていたのだが、彼が出てくればきっとなんとかしてくれる、これで打たれたらみんな納得するしかない、という人物はいなかった。打者にしても、今ひとつ存在感を示せない新井が4番に座り、誰がチームを引っ張っていくのかというリーダーが不在であった。キャプテンとして宮本がなんとか結束を高めようとしていたが、やはりそれなりに実績のある人間をまとめていくためには、誰もがその実力を認めるような選手でなければ、結束することはできないのではないだろうか。

まあ、いろいろと理由はあるが、大きくまとめてしまうと、責任は選手選考の段階から星野監督が自分の好き嫌いや、これまでの付き合いを重視して決めてしまったことにあると言えるだろう。去年のオリンピック出場を決める予選で活躍した選手を中心に選出してしまった、自分が鍛えてきた選手ばかりに、重きを置いた起用をしてしまった、そういうところが選手の気迫溢れるプレーを呼び覚まさない一因になったとも言えるし、気迫のある選手を選べなかったという問題にも繋がってくる。
思えば2年前だったか、代表監督に星野が就任することを決めた時点で、この結果は予測されて然るべきだったのだ。ああ、我々は勝てるはずもない星野ジャパンの応援に、なんとも無駄な時間を費やせられてしまったのだろうか。街で星野とその弟子たちを見かけることがあったら、馬鹿ヤローと罵声を浴びせ、頭から水を掛けてやりたい気分だ。とりあえず、岩瀬が帰ってきたら、登板するときにみんなでバックネット裏に横断幕を張ってやろう。



「バカヤロー!どのツラ下げて
投げる気だ!!」



(追記)
一日経って、ようやく冷静に物事を見直してみたところ、日本が負けたのは単純に実力以外の何物でも無い、ということだった。もちろん、選手の選考や監督の求心力などにも問題が無かったわけではないが、じゃあ逆に誰を選出していれば、不動のリーダーとして活躍できたのか、と考えてみた時、今の日本野球界にはそのような傑物がいない事に気付かされる。投手で言えば、岩隈くらいしか思い浮かばないが、リーダーとして不動なのかと言われると返事に困る。打者に至っては、金本、松中と言った、ピークを過ぎた選手しか思い浮かばない有様で、日本野球界の人材の少なさに驚かされる。いつの間にこのような情け無い状況に陥ったのだろうか。これでは野球の人気が低迷するのも当たり前であろう。
それとは別に監督の采配に問題が無かったわけではもちろん無い。毎日新聞の記事でも、星野監督の采配に対して、予選で2敗を喫している岩瀬を準決勝でも8回から登板させて打ち込まれる、準決勝で2失策のGG佐藤を3位決定戦でも起用し、やはり同じような失策を犯す、こういう勝負のために非情に徹しきれない「情の采配」が日本を敗戦に導いたと酷評されていた。オリンピック前には「勝つためには何でもやる」と公言していた星野だが、結局のところ、選手のプライドや心情を第一に考える温室育ちのチームという感は最後まで拭えなかった。日本野球界にとって、最後の希望の灯を消してしまった、その責任は重い。


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