2008/07/07

騙される方に問題は無いのか

先日、社長が逮捕されたエビ養殖詐欺事件だが、被害総額は850億円とも言われており、その被害を受けた大半が老後のために蓄えてきた資産を注ぎ込んだ高齢者だという説もある。FBIがアメリカの預金48億円相当を差し押さえたとも伝えられているが、政府・警察としては全力を挙げて事件の真相究明に当たると共に、被害者に対する還付を進めていただきたいところである。
それにしても、なぜ2円で買ったエビが120円で販売できるなどと言う、およそ信用できそうも無い話を真に受けて、投資話に乗ってしまったのか非常に疑問の残る事件である。だいたい、少なくとも日本で発生する詐欺事件というのは、普通に考えればありえないようなうまい話に乗せられて、大金を注ぎ込んだ挙句に嘘だったことが発覚するというのが典型的な例なのだが、今回もこの例に漏れず、ありえないようなうまい話に乗った人間が大金を巻き上げられるという、何の関係も無い第三者から見ると、欲に目が眩んだ人間が金だと思って掴んだのは鉛だった、自業自得だざまを見ろ、と言うくらいにしか思えない、と言うのが本音と言うものだろう。なんだかんだと理屈をつけては詐欺師を非難しようとするが、まあ人間と言うのはその程度のものなのだ。
だいたい、詐欺にあって損をしたのはまあ、理解できるとして、なぜ老後のために蓄えていた資金を全額、訳も分からないような、よしんばある程度の利益が見込めると思われたからと言って、ひとつの投資先に注ぎ込むような愚を冒してしまうのか。いったい、この人生経験も豊富なはずの高齢者諸君は、リスク分散ということをこれまでの人生で全く学ぶ機会すら無かったと言うのだろうか。これからは金が価値を持つ時代ですよ、と言われたからと言って、全額を金に注ぎ込むような投資家は、はっきり言って命綱もつけないで、綱渡りをしているのと同じである。金が儲かると聞けば、それと同じように他の銀や鉄に投資をし、なおかつ全てが失われたとしても、まだなんとかやり繰りできるだけの資金の余裕を持つ、それが投資というもので、どんなに信用が出来たとしても、もしも万が一それが失敗に終わったら、自分の人生すら終わってしまうようなものは、投資ではなく単なるギャンブルであろう。
世の中、一寸先は闇と言うとおり、いつどこに落とし穴があるか分からないのだ、という事を肝に命じた上で、投資は行ってもらいたいものである。まあ、素人が何も知らずに参入してくれればくれるほど、玄人の儲けが大きくなるというのも、投資業界の常識ではあるのだが。


究極のサービス業・・・それは「探偵」

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