2008/10/18

競争社会にフタするな

塩谷文科相が、全国学力テストの結果を公表することを決めた大阪府知事に対し、不快感を示し「競争を過熱させることは決して好ましくない」などと批判したことが報道されていた。市町村の間で、成績の良し悪しが公表されると、競争が煽られる可能性があるので、発表しない方がよい、というのだ。
この大臣は、日本が競争社会で成り立っているということを知らないのだろうか。小学校に入学するときから、隣の子供よりも少しでもよい学校に入れようと幼稚園のころから塾に通わせ、家庭教師までつけるくせに学校の給食費は払おうとしない親たちのなんと多いことか。
だいたい、自分の住んでいる市町村が、例えば他の地域と比較して明らかに成績が劣っているとして、それを知らされずに、他の地域よりも劣ったまま、競争社会に自分の子供を送りだすことが、果たして本当に国民のためになるのか。他の地域よりも劣っているのだとすれば、それを少しでも向上させたいと思うだろうし、その機会を国が無碍に奪うことなど到底許されることではない。即刻、全国の市町村の成績を全面公開し、どのくらいの教育格差があるのかを示すべきであろう。臭いものにフタをして、国民の目から覆い隠すことを政治とは呼ばない。

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