2008/10/14

携帯電話で有料ゲームを

ドコモやKDDIの発表・インタビューでのコメントを見ていると、どうやら今後、携帯電話でのゲームコンテンツを拡充し、有料化していくことで、利用者の取り込みと顧客単価の向上を目指したい意向らしく、PSPやDSなど既存のゲーム機器で動作しているゲームとの連携や、携帯電話の高性能化によって同じ土俵で戦う(この場合、ゲーム機と戦おうのではなく、ユーザ同士が対戦するという意味)ことを目指していくようである。
要約してしまうと、現在の通話やパケット通信料、既存の有料コンテンツによる課金だけでは、収入増の限界が見えている事から、一般利用者がまだ利用していないコンテンツを拡充していくことで、顧客単価の向上を目指していきたい、そう言っているのと大筋では同義であり、一般利用者から更に搾取を進めようという発想を強めたようにしか見えない。事実、キャリアの担当者などによると、無料ゲームを提供することでシェアを大きく伸ばしているモバゲーというコンテンツビジネス(要は広告などによる収入で賄っている)とはコンテンツの質で一線を画するため、相手にならないと言い切っており、これからは有料の高品質ゲームを主流として押し出していく、と意気込んでいるのが見て取れる。
実際、携帯電話会社が、自社が運営するゲーム販売サイトで高品質なゲームを売り込むのはひどく簡単で、どの端末からでもゲームサイトにアクセスしようとした場合に、まずは一度、キャリアのゲーム販売サイトを経由しなければならないように通信を制御するだけで、いくらでもゲームで遊びたい利用者を有料サイトに誘導することは可能であろう。しかし、有料のゲームが果たして本当に面白いのかどうか、その点に継続的に成功するかどうかは掛かっていると言っても過言ではない。
どんなに薦められたとしても、そのゲームが面白くなければ、あるいはたとえ面白くとも簡単に遊べる内容でなければ、誰が好き好んで携帯電話でゲームを楽しむというのか。お手軽に、躊躇い無く、安価に遊べるのが現在の携帯ゲームのメリットであり、難しく、手間がかかり、なおかつ有料のコンテンツとなった場合に、どれほどの人間が利用を継続するというのか。長期的な展望で見た場合に、成功して始めて、コンテンツビジネスとして成立したと言えるのではなかろうか。ちなみに、私は無料でなければ携帯でゲームをしようとは思わない。何しろ、携帯で遊ぶとなると画面は小さく、ゲームの最中に他の事ができるわけでもなく、非常に不便極まりない仕組みとなっているからだ。普及を推し進める前に、この問題をなんとかしてから前に進んでもらいたいものである。

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