2008/09/22

教育現場を立て直そう

このところ、テレビドラマでも取り上げられるほど、モンスターペアレント、つまりは学校なり教師なりに無理難題を要求してくる父兄が増加していることが大きな社会問題となりつつある。自分の子供がイジメの加害者になったとのことで、学校で叱られたことに対して補償を求めたり、学校に対する苦情の電話を何度も掛けた挙句に、学校に対して電話代を請求したり、その暴挙はとどまるところを知らないと言った状態になりつつある。
なぜこんな事態になったのか、原因を考えてみると、大きく分けて二つの問題が浮かび上がってくる。それは学校・教師の相対的な地位の低下と、学校教育の聖域化である。戦後数十年が経過したことで、大半の人間が大学教育を受けることが当たり前となった今日の日本では、教師よりも父兄の方が高学歴であることは殆ど当然と言ってもよいほどの事項となっており、父兄からすれば自分より才能もなく努力も不足していたような人間が自分の子供に対して、教師だというだけで偉そうに指導を行い、あまつさえ自分よりも上位に立つことなど、到底容認できるものでないという感情があるのだろうし、事実、低学歴の教師が、一人前の教師面して偉そうな教育論をぶつなど、思い上がりも甚だしいというものである。
また、学校教育の聖域化という点でも、教育現場に対して警察が影響力を持つことが教育に対して悪影響を及ぼすなどという前時代的な発想に基く対応が、父兄の増長を招いているという点も大きい。父兄にすれば、学校に対してどんな法外な要求を出そうとも、所詮警察沙汰になることなど無いと高を括っているという面もあれば、学校にしても教育現場の問題に対して警察力を行使することを求めるのは、教育の独立性を損なうなどという訳の判らない理由で、なんとか自分たちだけで解決を図ろうとする。もちろん、この姿勢がモンペアの増長を招く一因となっていることは言うまでもない。
つまり、モンスターペアレント、略してモンペアが無理難題を要求してくるのは、学校側の対応がお粗末であるのと共に、教師のレベルが父兄のレベルに到底追いついておらず、どんなに虚勢を張って対抗しようとしても見下されてしまう、あるいは、能力的に及ばないために口論となった場合に言い負けてしまうと言う点と、学校側が体面を重視するあまり、対応能力を超えるような状態に陥った場合でも警察に対して支援の要請を行わないという点が、大きな問題だと言えよう。つまり、モンスターペアレントを産み出しているのは、他ならぬ学校自身だということになる。まあ、頭の悪い教師が、次の教師を選び出し、さらに困難な状況に対応しようとする、こんな状態が続く限り、教育現場に対して高圧的な態度を取るモンペアが去ることは無いのだ。教育現場の改革なくしてモンペアの解決なし。なんてな。

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