2008/09/03

日本人は企業の奴隷なのか

1日、財務省から発表された税収実績により、7月度の法人税は還付額が税収を上回り、法人税収は1039億円の赤字(前年同月は1203億円の黒字)になったことが判明した。ちまたでは、政府の意向を受けたマスコミの報道で、景気の減速により、企業の収益が悪化したことが原因であると、さも景気の悪化懸念を大きくとりあげ、本質から国民の目を逸らすのにやっきになっているが、これで国民がいかに搾取されているのか、ということが明らかとなった。
法人税の税収が赤字だということは、すなわち、企業は支払っている税金よりも多くの還付金を国から受け取っている、ということを如実にあらわしているに過ぎない。例えば、家計であれば、どんなに経費を多く計上して確定申告をしようとも、納めた税金以上の還付金が得られるはずもなく、その事実から税収は絶対に赤字にならないことが明白である。にも関わらず、法人税を見た場合に赤字になることがあるとはどういうことなのか。
それは、企業は納めた税金よりも多くの還付金、すなわち、1000万円の税金を納めたのに対して、例えば1200万円の還付金を受け取っていることを表している。この場合、国の法人税の税収は200万円の赤字ということになり、企業は何の努力もなく、200万円の、しかも課税対象外の利益を得ることになる。これは、家計に置き換えると、10万円の所得税を支払っているサラリーマンが、12万円の還付金を受け取る、すなわち月収30万円で10万円の税金を納めて20万円の手取りになるはずが、12万円の還付金を含めて、手取りが支給額を上回る32万円になっていることを意味する。これはいったいどういうことなのか。
それは、国民から毟り取った税金を、企業に還流しているということであり、本来、国民が支払う必要の無い税金を取り立てては、企業を優遇するために使われているのである。そのため、普通に考えればありえないことだが、税金の収支が赤字になる、などという聞いたことの無い事態に陥っているのである。国の財政収支が赤字になるのは、例えば大きな公共工事を数年間かけて、先を見越して行うこともあるだろうから、理解できる。しかし、税収が赤字になるというのは、国が特定の企業、産業に対して、見えない形での補助を行っていることの現われであり、極めて不誠実、不平等なやり方であると言わざるを得ない。即刻、法人税のあり方自体を見直して、適正な課税が行われるべく、善処いただきたいものである。

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