2008/09/17

リーマン、破綻す

このニュースは衝撃をもって瞬く間に世界を駆け巡った。アメリカの名門企業である、リーマンブラザーズ証券が、サブプライム問題を発端とした金融危機の影響で破綻、つまりは倒産したのである。日本の財界からは、山一証券の破綻を彷彿とさせるような出来事だとの声があるようだが、暢気に対岸の火事を決め込んで静観している場合ではない。この事態を見通せなかった金融機関は、その先見性と言う点では、破綻したリーマンブラザーズ証券となんら変わるところは無いのだ。
まったく、日本の財界人の能天気さには呆れて物が言えなくなるとは前々から思っていたが、この事態に対して何ら対策を講じることも考えず、ただ座して政府がそのうちに発動してくれるであろう景気対策に自らの生死を委ねるだけだとすれば、世界に冠たる、とこれまで国民を欺いてきた日本の財界というのは、国民の犠牲の上にだけ成り立っている、国民の生き血を啜る半死人としか言いようがないだろう。何しろ、日本の産業における国際競争力というのは、国民の生活を困窮させることで得られる僅かな利益を源泉とする、反人道的な手段によるものであって、正当な競争を行えば瞬く間に世界に一蹴されてしまうような、そんな脆弱な土台の上に建てられた、砂上の楼閣でしかないからだ。。。。
これが悲しい現実となる前に、リーマンブラザースの残念な結果をただ漫然と眺めながら、政府が打ち出す景気対策を当然のもののように待つのではなく、真に競争力があり未来を見通すことができる産業・財界であるというのであれば、反面教師としてその教訓に学び、これからの厳しい国際競争を生き延びるための教科書としてもらいたいものである。リーマンが倒産した、驚いた。そんな台詞なら、幼稚園児だって、小泉元総理大臣だって、マイクを持たせてやればいくらでも語るのは容易だ。そんなものよりも具体的、現実的な政策・対応策を示してもらいたいものである。

0 件のコメント:

コメントを投稿