2005/02/20

銀行預金は果たしてホントに安全化か

最近、続発する偽造キャッシュカードによる犯罪に対して、泣き寝入りをするしか無かった被害者に対して、銀行は重い腰をようやく上げて、被害者救済に乗り出したようだが、これが消費者保護の観点から実施されるもので無いのは明らかである。勿論、預金者が保護されること自体に異議などあろう筈はないのだが、これまで頑なに保証を拒んできた銀行が、仕方なくも保証に応じる姿勢を見せ始めたのは、様々な報道番組で諸外国の金融機関とのサービス格差を暴露されたことで消費者がうるさく騒ぎ出した事と、同程度のサービスが提供されない場合に預金者が他行に流出することを恐れた為だと考えられる。
これまで偽造クレジットカードを利用した犯罪は多かったが、社会的に大きな問題とならなかったのは、偽造クレジットカードによる被害が全額保証されていたことと、所詮サインは真似る事が出来るという諦めからきたものであったと思われる。これに対してキャッシュカードは、被害にあった場合でも保証も無く、また暗証番号が簡単にばれるはずがない、というある種の信頼が裏切られたために、ここまで大きな問題になってしまったのだろう。
この偽造キャッシュカードによる犯罪は日に日に増加の一途を辿っているがその手口から大きく三つのパートに分けることができる。一つ目は暗証番号を盗み出すパート、これは誕生日などの個人情報を入手すると言ったものから、銀行やコンビニのATMで暗証番号を盗み見るという手口まで千差万別である。2つ目は実際にカードを手に入れるパートとなるが、これにはカードを偽造する、あるいは盗み出すという手口が考えられるが、どちらにせよ一度はキャッシュカードなり、口座番号を手にする必要がある。なにも情報の無いところから偽造できるとは考えにくいからである。最後は実際に現金を引き出すパートとなるが、これまで二つの準備が行われていれば、これは容易に実行可能で、手段を問う事自体ナンセンスというものであろう。
さて、ここまでの三つに分かれたパートを眺めると、最初の二つについては、個人レベルで注意深い行動を取ることで、回避可能な行為ばかりである。安易に他人に暗証番号を教えない、盗まれやすい場所には保管せず、持ち歩く際には細心の注意を払う。ただこれだけである。被害にあった方々を非難するわけではないが、たしかに話を聞いてみれば注意不足や、安易な管理が被害を助長したとも取れるケースが散見されるようである。消費者保護の観点から、銀行が保障に応じるのは当然と思うが、我々もいつ何時犯罪に巻き込まれるかもしれない、そういう危険が身近に迫っていることをよく理解しておく必要があるだろう。いざ巻き込まれた際にオロオロと取り乱して、醜態を晒すことの無きよう・・・

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