2005/02/13

北の将軍様は危険な玩具を手にしたか

先日、北朝鮮が公式に中断している六カ国協議の打ち切りと、核兵器を保有したことを表明した。これに対して世界の反応はどちらかと言えば協議打ち切りの方が大きく取り上げられているようで、どうも北朝鮮が核武装したという点については、懐疑的に捉えているらしい。しかし果たして本当に北朝鮮は核武装していないのだろうか。
核武装がもしもブラフ(はったり)であるならば、当然何かの目的があるはずなのだが、現在までのところ、その目的は全く定かではない。これまで開発を示唆するような発言は何度も繰り返されてきたものの、今回のように核保有を明言した例は無く、どちらかと言えば北朝鮮に温情的な外交を続けてきた韓国や中国が強硬な姿勢に転換するのではないか、との推測があるくらいで北朝鮮にとって有利になりそうな効果は見受けられない。彼らが無法国家であるといって、無目的な宣言と決めつけては危険であろう。これが実際に核兵器を開発、保有に至っていればその効果は全く異なるものとなる。
知ってのとおり、北朝鮮には長距離弾道ミサイル「テポドン2」があり、その有効射程は最大3500km、つまり日本全土はもとより、アラスカ、グアム、シベリア、中国までをその射程圏に捉えているのだ。そして、一旦発射されたミサイルを撃墜することがどれほど困難かはイラク戦争で実証されている。そもそも、イラクが使用したのは通常弾であったから途中で爆発させるだけで事は片づいたが、核ともなれば誘爆すればジ・エンドである。
言わんとするところは、北朝鮮を除いて六カ国協議の当事者全てが真に強硬な態度で事態の解決を図ろうとした場合、自国が核攻撃の危険にさらされると言うことだ。
アメリカの議会ではブッシュに対して、これまで北朝鮮に対して無関心すぎた、との批判がでてきているらしい。当然である。ありもしない大量破壊兵器の情報をでっちあげてイラクに対して戦争を仕掛けては多くの将兵を死に追いやりながら、一向に情勢が沈静化する見通しも立たないと言うのに、挙げ句の果てにイラクに気を取られているうちに北朝鮮に核兵器の開発を許してしまったなど、ありえないとしかいいようがない。これではブッシュは父親の敵討ちにイラクを攻撃したと思われても、そのとおりとしか言いようがない。
さすがに我が国の平和ボケ政治家共も多少は危機感を持ったのか、首相殿は経済制裁をやるなら戦争を覚悟してやらないと、と述べたそうだが、そんなことよりも効果が限定的と分かってはいるが、日本海側にあるかぎりの対空兵器を並べるなりして国民の恐怖感軽減に努めて欲しいものである。もっとも、同じく平和ボケした国民は恐怖感など感じていないかもしれないが。
※2005年02月12日18時現在、北朝鮮が核実験を行った兆候は確認されていない。通常、核兵器の開発には何度かの実験が不可欠とされているが、逆にこれが北朝鮮は未だに核武装していない、という論拠になっていると思われる。

0 件のコメント:

コメントを投稿