2008/11/12

村山談話とは何なのか

自衛隊の航空幕僚長が懸賞に応募した論文で、日本は侵略したのではないなどと、戦争責任が無かったかのような発言を繰り返していた問題で、昨日、当の本人が国会で参考人として答弁に応じたが、その中で村山談話にまで話が及び、この談話を踏襲しなくてはならないのは言論弾圧であるとまで言い切ったのは、ある意味では快挙と言ってもいいだろう。そもそも、村山談話とは何なのか。
これは自民党が当時の日本社会党と連立政権を組んでいた時の総理大臣であり、日本社会党の党首でもあった村山総理が、日本の戦争責任について言及し、中国や韓国に対して侵略行為を行った事を正式に認めた、とされる発言を指すが、その後の自民党政権においても、この談話を踏襲するのが政府の見解であるとして、日本に戦争責任があったのだと言う声明の代弁として用いられている。
だが、本当にそうなのだろうか。もし本当に日本の戦争責任を認めているのであれば、なぜこのような人物が航空幕僚長という要職に就くことができたのか、また、非公式な会合で自民党議員からこの元幕僚長を擁護するような発言が相次ぐのか。
これは自民党政権が、村山総理が日本社会党の議員であったのをいいことに、二枚舌を巧みに使い分けている、ただそれだけの事ではないのか。つまり、政権与党の立場としては、村山談話を踏襲するとして、自らが戦争責任について言及を避けるとともに、さも戦争責任を認めているかのような印象を発言を繰り返す一方、自民党の議員としては、党として戦争責任を認めた事は無いとして、頑なに発言を避ける、そういう事ではないのか。考えてみれば、安倍も福田も麻生も、あるいは小泉に至るまで、自らの言葉で戦争責任を認めた自民党総裁はただの1人もいないではないか。こういう振る舞いがが日本が国際社会から全く評価されない所以であろう。

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