2008/06/15

業界史上、最低の選択

12日、米Yahooと米Googleの提携が発表された。このところ、提携するのではないかと噂されていた内容であったため、それほどインパクトを市場に与えたわけではないが、今後のインターネット業界の動向を大きく左右する事項であることに変わりはなく、少なくとも検索ポータルとしてのGoogleの地盤が一層強化され、他のライバル企業が次々と撤退、もしくは傘下に加わるという選択を強いられるのは必定と言えよう。
世界最大のソフトウェア企業であるマイクロソフトと言えどもその影響から逃れることは敵わず、インターネット検索ポータルの提供という観点では、今後のビジネス展開で大きく舵を切らざるを得ない状況に追い込まれるであろう。マイクロソフトを市場の寡占状態を利用して暴利を貪る悪の帝国だとして非難してきた面々は、マイクロソフトの影響力を出来る限り極小化する方向に働きかけを行ってきたが、その結果はGoogleという新たな独占企業を産み出しただけであった。
Googleとマイクロソフト、インターネット業界に君臨するのであればどちらがまだマシなのか、という議論はあるものの、最終的に検索市場のおよそ8割をGoogleが掌握する結果、彼らには他者のビジネスを生かすも殺すも思いのままと言っても過言ではないほどの権力が与えられるわけである。なにしろ、気に入らないビジネスを展開しているサービスや企業は、Googleの検索ポータルでどんな検索キーワードを入れてもヒットしないようにしてしまえばよいのだ。逆に、これを売っていこう、と画策すれば少しでも関連した検索を行えば、トップに表示されるように仕掛ければ、あとはただ待っていれば次から次へと明かりに引かれる蛾のように、新たな顧客が舞い込んでくるわけだ。こんな楽な商売は無いだろう。
最後の頼みの綱は、強力なアメリカの独占禁止法だけだ。いつもは腹立たしいほど厄介者の禁止法だが、今回ばかりは何とかこの提携を阻止する方向で作用してもらいたいものだ。頑張れ、米上院反トラスト小委員会!

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