2009/05/09

足利事件はなんだったのか

1990年に女児が殺害された足利事件で有罪とされていた菅家利和受刑者、その有罪の決め手となったDNA鑑定だが、改めて行われてきたDNA鑑定において、加害者のものと思われていたDNAと、菅家被告のDNAが一致しないことが示され、確定した判決に対する再審請求が認められる公算が大きくなってきた。
犯人を特定する完全な証拠だと思われてきたDNA鑑定だが、その信憑性に大きな疑問を投げかける今回の再鑑定結果だが、そもそも足利事件でDNA鑑定の結果が証拠として採用された1990年代は、まだ鑑定の正確性にも鑑定方法にも確立されたものはなく、全てがテストケースと言ってもおかしくないような状況下での証拠採用であったことは当時から分かっていた。にも関わらず、菅家被告はなぜ、犯人として有罪が確定するところまで追い込まれてしまったのか。
事件の捜査を行ってきた刑事は言う。当時は何がなんでも犯人を逮捕しなければならないという空気があり、そのプレッシャーを感じていたのだ、と。明らかに恣意的に行われた容疑者の捏造であり、犯人検挙を迫られた官僚による、でっち上げの捜査であったと言わざるを得ない。
この調子で、政治家が関与してくれば、免罪符を得たとばかりに、どんな小さな違法行為であったとしても、針小棒大に取り上げ、まるで国家反逆者の如く非難した挙句、社会的に抹殺してしまう、そういう官僚政治の恐ろしさをまさに示しているといえよう。こんな調子で自民党政権を維持するための国策捜査を続けてきているのではないか、今回のDNA鑑定結果はそういう疑念すら抱かざるを得ない事実を示していると言えよう。賢明な市民諸氏は、このようなまやかしに惑わされること無く、真実を見抜く目を持ってもらいたいものだ。

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