2009/05/05

迷走する対中外交

中国を訪問中の鳩山総務相は、中国の科学技術相との会談で、中国の第三世代携帯は既に実用化段階に入っていて、課題はアプリケーションだとする中国側に対して、当分野で中国側に協力していくことを表明したのだとか。
アプリケーションの事を応用ソフトといつまで前時代的な言い方をするのかと、今の時代、よけいに分からない人間の方が多いのではないのかと、報道するマスコミ連中にも辟易とさせられるが、それ以上に呆れるのが危機感の感じられない日本の政治家連中である。中国側の課題であると言う認識に対して協力を表明とは、一体なにをどうすると言うのだろうか。
中国側の課題、つまり弱い部分に対して技術供与することで、日本製品に対する競争力を強化してあげるとでも言うつもりなのだろうか。これまで無作為に行ってきた対中支援の結果、日本の産業は安価な中国製品に攻勢を掛けられてジリ貧の状況に追い込まれている、というのを理解しての発言だとは到底思えない。
何かというと日本政府は戦後補償と言う言葉を持ち出すが、日本はこれまで中国に対して莫大な額の支援を続けてきた。にも関わらず、中国国内ではこのような事実は全く伝えられておらず、事ある毎に50年以上も前の侵略行為を非難し続ける状況が続いている。日本側は協力する事で恩を売っておくと言う意識があるかもしれないが、中国側からすれば、日本を恫喝して技術や資金を捻出させた、程度の認識でしかないのだろう。
いまからでも遅くはない。早々に中国に対する外交方針を見直し、戦後補償は終わった、対等な競争をすべき先進国にまで発展した、という前提に立って、戦略を構築してほしいものである。

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