2009/05/24

地球温暖化は防げるか

京都議定書の次にくる温暖化抑止に向けた世界的な取り組みだが、案の定、各国の利害が絡み、進展する兆しが見えない。そりゃ、二酸化炭素排出抑止という、明らかなコスト増を目の前にして、どこの国だって、よその国よりも重い負担をしたいはずはなく、最悪でも横並び、できれば他国よりも有利な条件で競争力を高めたいと思うのが当然の発想というもので、どんなに議論を続けても全ての国が納得するような枠組みを決めることなど出来はしない。少なくとも、この人間とやら言う利己的な原住民どもには。
そんな中、以前から未来の技術として話にでていた宇宙太陽光発電が、日本でもついに検証実験の段階にまで進み始めるようなことが伝えられていた。JAXAの紹介を見るとマイクロ波方式とレーザー方式、2種類の方式があるが、どちらも宇宙に配備した人工衛星を利用して太陽エネルギーを集めては地球上になんらかの方法で伝達し、利用していくということに変わりはない。理論的には可能な技術だということなのだが、果たしてこんなことをして大丈夫なのかと心配になる。
それは、本来は地球には存在しないはずのエネルギーを宇宙空間でかき集めて、地上に送るということは、そのまま地球全体のエネルギー量を押し上げ、結果的に地球温暖化を促進してしまうのではないかということだ。確かに温暖化ガスと言われる二酸化炭素を排出しないという点では優れているように見えるが、本来存在しないはずのエネルギーを取り込んでしまうという点は、非常に危険な香りのする技術だと言えよう。そういう意味では、原子力発電にせよ、水力発電にせよ、本来は熱以外の形で循環・蓄積されているエネルギーを、熱に変換してしまっているということを考えると、生活で利用するエネルギーの全てが、地球温暖化に繋がってきているとも言えよう。(火力発電は、熱と二酸化炭素の両方を出すので余計にたちが悪いという話しもあるが)
いま盛んに議論されている内容の基本は、簡単に言えば地球をこれ以上、熱さないにはどうするのか、ということである。そのため、エネルギーの利用や温暖化ガスの排出を昔のレベルにまで戻そうという取り組みに終始しているのだが、利用をやめるということはイコール生活水準を昔のレベルに戻すということだ。そのようなことは到底、受け入れられまい。そうではなく、発想を転換し、熱さないのではなく、冷やす、という方向で議論を進めてみてはどうだろうか。地球に蓄えられてしまった熱エネルギーを、例えば宇宙空間に放出して、地球そのものを冷却していくのだ。簡単に言えば、地球規模の冷房装置をつけようということだ。例えばその熱を、今は無いが月面や火星で生活をするためのエネルギー源として使うことができれば、これこそエネルギーの有効活用となるのではないか。人工衛星から地上にエネルギーを送るようなスケールの小さな話ではなく、もっと遠大な視点での技術革新を期待したいところである。
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