2008/12/28

日本の空は何で守る

自衛隊の次期主力戦闘機の選定を巡っては、日本の計画で調達する予定であったF22ラプターについて、機密情報が漏洩する可能性を指摘した米国議会の動きや、価格が非常に高価となることからアメリカ自体での生産を中止する動きが出てくるなど、今後の計画を進められるかどうかすら危うい情勢となりつつある。価格については、他の戦闘機の2~3倍の価格がネックとなり、生産国であるアメリカ自体でもこれ以上の導入を見送る公算が大きくなっている他、日本側の問題として自衛官が機密情報を漏洩してしまう可能性が指摘されており、機密の塊であるF22の輸出を制限しようという動きが強まっており、本当に日本が調達して配備することが出来るかどうか、非常に怪しい情勢となってきている。
そんな中、次期主力戦闘機の選定について日本政府が方針を見直し、F35かユーロファイターを導入するか、あるいは現行のF15を改良することで当面を乗り切るか、いずれかを選択する見通しが強くなった。しかし、いずれを採用するにしても大きな問題は残されている。F35は開発されて間もない新機種で、米軍でさえ実践配備には至っておらず、実用面でどれほどの実力を発揮するのかは未知数である。ユーロファイターを導入するのであれば、これまで大きな支援を受けてきたアメリカに対して、論理的のみならず道義的な説明を行う必要が出てくるだろう。F15の改良で当座を凌ぐとしても、それがいつまで耐えられる策なのかは外的な要因にも左右されるため、なんとも評価しづらく、どこまでの未来を計画に織り込めばよいのかは判断が分かれるところだろう。
いずれにせよ、F22なり、F35なり、あるいはユーロファイターを導入したとしても、結局のところ最後は外国の技術に頼らざるを得ないという結論には違いなく、果たして日本の空を守るのが全て外国の製品でよいのか、という疑念は残る。三菱重工が商業化を目指してジェット旅客機MRJの開発を推し進めているが、それと同じように、日本の空を守る航空機は、やはり日本独自の力で開発しなくてはならないのではないのか。将来、購入している国との関係が悪化してきた場合の対応も含めて、自力での防衛手段を確保しておくことは、やはり独立国家として必要な対策ではないのか、そう思える今日このごろだ。

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