2006/04/14

核兵器は廃絶できるか

イランで原子力発電に利用可能な濃縮ウランの精製に成功した、と言う報道が世界中を駆け巡った。これだけでは、なぜ世界が大騒ぎしているのか分からない方も多いと思う。平和利用の原子力発電なのだから、何も問題は無いのでないか、と。
大アリなのだ。大半の人間が平和利用と信じて止まない原子力発電、それは濃縮ウランからプルトニウムを製造する行程のひとつで、作業中に発生する熱を発電に利用する事から始まった、軍事施設の有効活用に過ぎないからだ。原子力発電で生み出されるものは電気のみならず、核兵器の弾薬とも言うべきプルトニウムが製造されるのだ。それはつまり、何十という原子炉が十年以上稼働を続けているこの日本にも、核兵器を大量に製造できるだけのプルトニウムがあることを意味している・・・
さて、件のイランについてだが、核兵器を保有する恐れがあるからと言って、イランだけを非難することは出来ない。なぜならイランの核兵器保有に強硬に反対し、武力行使も辞さない構えのアメリカ合衆国、それは世界最大の核兵器保有国であり、どう贔屓目に見ても核兵器を保有することで得られる権益を守ろうとしているようにしか見えないからだ。アメリカが核兵器を放棄しない限り、核兵器の廃絶は不可能だが、人間は一度手に入れた力を易々と手放すような、出来た存在ではない。核兵器がなくなるのはその威力が無に帰するような技術が生まれるまで待たねばなるまい。願わくば、その技術が更なる破壊を伴う物では無いことを。

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