2012/06/24

真実を言うと非難される日本の情けなさ

福島県の放射性物質による食物汚染に関連して、汚染していない食物に対する偏見や誤解、要するに風評被害を防止したいという思いから、福島県選出の参議院議員、みんなの党の小熊慎司参院議員が、地元の福島県会津若松市で開いた国政報告会で支持者を前に、県産品の風評被害対策の必要性を説く中で「水俣湾の刺し身ですと言われたら、相模湾と言われるよりはドキッと来る。それが人間の心情。仕方ありません」と述べたそうで、各マスコミから非難の矢面に立たされている。要するに、既に解決したはずの水俣地区の風評被害を助長することになる可能性を指して、そのような発言をしたことに対して非難しているというわけだ。

しかし、実際問題として、水俣湾産の刺身だと言われれば、相模湾の刺身と聞かされるよりもドキッとするのは明らかな真実であるし、そもそも、この発言を全国に流布し、さらなる風評被害を作り出そうとしているマスコミに対して何の処罰もされないにも関わらず、そういう発言をしたというだけで、ここまで非難される謂われは無いのであり、このような、国民が思っていることを口にすることすら許さないという、マスコミの傲慢な姿勢をこそ糾弾すべきなのではないだろうか。なにしろ、マスコミが報道しなければ、会津若松でこのような発言があったことなど、国民の誰も知ろうはずがないし、それがひいては風評被害を引き起こすこともないはずなのである。

もちろん、世間に知られなければ何をやってもよいと言うわけではなく、当然、非難されるべき行為については報道するべきであるし、その罪を購うべきであるが、だいたい、水俣病についてはまだ最終解決を見ていない事件であり、それだけでも水俣病の風評被害が無くなることはないし、実際、一般国民の感情として、水俣と言う名前に嫌悪感を抱くのは当たり前のことで、それを口にするだけで非難の矢面に立たされる、それをさも鬼の首をとったかのようにマスコミがあげつらう、そんな精神のありようこそ、糾弾されるべきであり、恥ずべきことであろう。これが日本の、日本人の精神的成熟度なのだとすれば、悲しむべきことだが。。。

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