2009/09/07

官僚がこの国の主人公なのか

民主党を中心とした、新しい政権の成立まで秒読みとなる中、これまで国土交通省が頑なに存在を否定し続けてきた、高速道路を全面無料化した場合の経済効果に関する試算が公表された。それによると、一般道の渋滞が解消されることなどにより、高速道路の収支が悪化する分を差し引いても、2.7兆円もの経済効果が見込まれることが明らかとなっている。これまで、民主党の公約を裏づけし、同党に有利となるため、隠蔽し続けてきたという疑惑が生まれてきた。
政府はこれまで、高速道路を無料化した場合の経済効果に関する試算について、「国土交通省が取りまとめたものは存在しない」として、存在を否定し続けてきたのだが、それが覆され、大きな経済効果があることが証明されたのは、民主党の力によるものではなく、我々国民が自民党に対して退陣を迫ったからこそ、表に出てきたものであり、今後も同様の隠蔽され続けた事実が明らかになってくる可能性が高い。
これらは全て、最終的には官僚が隠し続けてきたものなのだが、それもこれも自民党政権が継続することで自分達にとって利があると思えばこそ、民主党政権誕生を阻止するために公表を拒む、あるいは存在を否定してきたわけで、これだけを見てもどれだけ自民党政権のおかげで官僚達が甘い汁を吸い続けてきたのかということを間接的に証明したと言っても過言ではないだろう。民主党政権となった場合、これまで否定してきたものが発見された場合に、その責任を追及されることを恐れた官僚が、「あくまで検討段階であったため」公表してこなかったものを公表したことには大きな意義があると言えよう。
それは、政治を官僚達から国民の手に取り戻す方向にこの国が進み始めたということだ。今後、官僚達は自分達がこれまで築いてきた権益を守るために、民主党政権に対して非協力的な行動をとる、あるいは、これまでの自民党と同じように、自分達の利益のために動く政治家として取り込もうという動きが本格化してくるだろう。民主党議員諸氏には、そのような誘惑や反抗に屈する事無く、長らく自民党政権の下で腐りきったこの官僚どもを一掃するくらいの意気込みを持って、政権運営に邁進していただきたいものである。

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