2012/02/26

AIJの問題は本質的には問題ではない

企業年金の運用を行っていたAIJが、実際の運用実績とは異なる成績を喧伝し、多数の顧客を獲得した挙句に、破綻したのではないか、少なくとも、虚偽報告のカドで営業停止となったことについて、マスコミではどこの報道を見ても、大変な問題である、と大々的に報じているが、実はこれは本質的にはたいした問題では無い。ただ単に、詐欺集団かもしれない団体が企業の担当者なり、代表なりを騙した挙句に、大量の金銭を取得し、その金銭を使い果たした、と言うだけの、まさに単なる組織犯罪のひとつでしかなく、年金そのものの信頼性とか、制度などの見直しとか、そういう話とは全く関係のない事件である。

現在、日本の公的年金が破綻するかもしれない、財政が非常に厳しい状態である、でも天下りした官僚や、企業献金を行ってくれるゼネコンに仕事を出さないといけないから、支出を減らすことはできない・・・だから消費税を上げるしかない、という滅茶苦茶な政府・民主党と自民党の論理とは、何も接点があるわけでもないにもかかわらず、とりあえず、国民の関心が高まっている年金というキーワードだけで、さもなにか大変な事件が起きたかのように報道し、少しでも視聴率を獲得したい、発行部数を伸ばしたい、マスコミの作為的な行為によって、惑わされているだけだと言うしかない。

詐欺集団と思しき団体に、騙された挙句に大きな損失を発生させた企業年金団体については可哀想だと思わないわけでもないが、誰に強制されたわけでもなく、自らの判断に基づいてこのAIJという団体に年金の運用を委託したのだから、当然、起きたことの責任は自らが負うべきであり、国がきちんと監督していなかったとか、年金の制度に問題があるとか言い出すのは、おこがましいを通り越して、どこかに責任を求めているだけの、責任逃れ以外の何ものでも無いといえるだろう。なんと情けない姿なのだろうか。損失を出した企業年金の担当者に声を大にして、誰かが伝えるべきだろう。

「全ては貴様の責任だ。えぇい、腹を切れ!」

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