2012/01/31

削れないのは削らないからだ

1月17日の毎日新聞の記事で、なぜ国の歳出が削減できないのか、という問いを識者3人に聞いたインタビューが掲載されていた。なんでも、国の歳出が削れないのは、政治家が削らないからだそうで、震災復興で多額の費用が必要にも関わらず、新幹線事業の復活にせよ、印象的な八ッ場ダムの建設再開にせよ、東京外環道の建設にせよ、実用化の目処すら立たない高速増殖炉もんじゅの関連事業継続にせよ、なぜ今、ここに支出しなくてはならないのかと思うようなものが、目白押しだと言うのだ。

思い起こせば、民主党は政権を獲得するまでは、ダムは作らない、新幹線は中止する、無駄な事業は全て見直し、独立行政法人もゼロベースで見直す、としていたはずだ。それが今では、自民党も真っ青になるような、地元の利益誘導団体に落ちぶれたばかりか、官僚の天下り先として事業仕分けの対象としていた独立行政法人ですら、国からの補助金が3年ぶりに復活したと言って、諸手を挙げて喜ぶ事態にまで成り果てている。いったい、改革の旗印はどこへ行ったのか。

それでも、地方では無駄な事業の見直しについて、市民それぞれが関心を持って、必要か不要かを見定めるような動きが広がっているのだそうだ。これは非常に期待できる傾向だが、なぜそれが国政に広がらないのか。それは、地方の政治と違って、国の政治を自分の生活に直結するものだという認識が無いからだ。国が傾くと暮らしも立ち行かなくなる、それは分かっていても、東京が贅沢をしているのに、なぜ自分の地方が我慢しなくてはならないのか、それなら新幹線くらい、建設してくれてもいいのではないか、そういう、他所と比べて自分のところが冷遇されるのは我慢できないという、自分の事しか考えない人間が多いからだと、語弊はあるが断言しよう。

そんな、我田引水の考えはいったん棚に上げて、日本をどうするのかという大局的な観点で政治を見れない限り、この国はいつまで経っても地元への利益誘導政治から脱却できず、ひいては、CNNの記事にあるように、日本の一時代が終了し、今後日本は貧困の国に落ちぶれていくだろうという予測のまま、破滅に向かって突き進むしかないだろう。いまならまだ、間に合うはずだ。民主党政権のままでも、政権交代しても、どちらでもいい。政府に対して正しい道を進むように、促す行動をとろう!

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