2009/12/13

伊丹廃港って、お前は馬鹿か

政府の関空に対する補助金の減額・廃止の方針に対して、橋下大阪知事が「伊丹を廃港せよとのメッセージ」との持論を展開し、地元も頭を切り替えて伊丹廃港に向けたメッセージを出していかなくてはならないという考えを強調した。
なんという頭の悪さなのだ。伊丹、神戸、関空のうち、少なくとも国内線の拠点として成立するのは伊丹空港だけであって、関空や神戸空港など、単なる地方都市の空港としてしか見られていないということを全く理解していない、素人の発言といえよう。
関西圏にビジネスで訪れる人の大半は、大阪市を目的地として訪れるのであって、現実的な問題として新幹線に対抗し得るのは伊丹空港のみである。それ以外の関空だの、神戸空港だのを利用するくらいであれば、ほぼ100%の利用者が新幹線を利用することは明白である。なぜなら、羽田空港から出発することを前提とした場合、伊丹空港に到着するのであれば、大阪市中心部まで新幹線とぎりぎり対抗できる時間で到着することができるが、関空や神戸空港に到着した場合、対抗できるのはそれぞれ周辺の一部地域のみとなるからだ。だれが好き好んで、わざわざ時間もかかり、乗り換えや登場の手間もかかる飛行機を利用してまで、大阪に出掛けようというのか。
これは羽田か成田かと言う議論にも通じるが、政府や自治体がどれほど、この交通機関を利用させようとしても、利用者は利便性が高い交通機関しか利用しようとはしないというのは歴史が証明している。政府の思惑で交通機関の利用率が制御できるのであれば、今頃、成田空港は日本最大の国際空港として、確固たる地位を築いているはずである。それを為しえないのは、羽田空港へのアクセスが非常に容易かつ短時間であるからに他ならず、このことだけでも利用者を思惑だけで制御できないことは証明されていると言える。
利用者の利便性を考えて、今からでも、関空中心主義を改め、伊丹空港中心の航空政策に移行していくことが、今後の関西圏の発展を左右すると言っても過言ではないだろう。借金を返したいがためだけに、関空の利用を促進しようとしても、単に利用者が減退し大阪圏の経済低迷を助長するだけである。橋下大阪知事の翻意を期待したい。

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