2009/10/12

浦和レッズの敗戦を見て思うこと

昨日、天皇杯の2回戦に登場した浦和レッズが、遥かに格下であるはずの松本山雅FCに2-0という惨敗を喫したが、これに対してサポーターが2時間近くもスタンドに居座り続け、チームディレクターの信藤氏を呼び出し、改善を要求するという事態に発展した。今期、浦和を率いるフィンケ監督は、今年を改革の年と位置づけ、結果を度外視する方針を出しており、サポーターもこれまでは連敗してもブーイングは我慢してきたのだが、さすがに堪忍バッファが溢れてしまったようである。
しかし、この敗戦をみて考えなくてはならないのは、浦和レッズが弱かった、ということだけに止まらない。浦和はなんと言っても日本のプロサッカーでトップリーグで戦っているチームである。そこが遥かに格下の松本山雅に破れるたことから分かることは、サッカーはどんなに弱いチームでも強いチームに勝てる可能性がある、ということでもなければ、浦和レッズが来期にはJ2に降格させられてしまうかもしれない、などという予想でもない。分かるのは、日本のサッカー全体を見渡したとき、所詮、格下と言われているチームでも、それほどトップリーグのチームと実力に差があるわけではない、ということだ。言い換えれば、トップリーグのチームでも、それほど他と比較して秀でた力があるわけではなく、日本というサッカー弱小国の中で張り合っている、弱いチーム同士が形の上でだけ、上下に分けられているという事だ。
海外の強豪国で、トップリーグのチームが遥かに格下のチームに負けたなどと言う、そんな衝撃的なニュースを聞いたことがあるだろうか。マンチェスターや、ミラン、ローマがそこらへんの町のチームに負けてしまった、もしそんなことにでもなれば、もう騒ぎどころの話ではなく、暴動に発展してしまうのではないかと思われる。それだけをとってみても、日本の実力は推して知るべし、ということであろう。なにがワールドカップでベスト4を目指すだ。個人の能力だけを向上させてもナショナルチームとしては、一時的な強化でしかなく、全体のレベルアップが計れてはじめて、日本は強くなったと言えるのだ。
はっきり言って、今の日本代表は、惨敗に終わった前回のワールドカップ時点よりも、中田英寿が抜けた分、弱くなっているのに、フロントもマスコミも見てみぬ振りをして、南アフリカ大会に挑もうとしている。今の自分の弱さを認識するところから、はじめて次につながる向上が見えてくるというものだ。今回のワールドカップも、前回以上の惨敗を覚悟し、日本代表チームには、何も期待しない方がいいだろう。

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