2005/04/05

誰の為の郵政民営化?

ここにきて、政府内部での調整が活発化しているが、元郵政大臣が民営化法案に反対する姿勢を表明するなど、いまだ先行きは不透明である。首相は自らの進退を掛けて、不退転の決意で推し進める構えだが、郵貯はそうまでして民営化が必要なのかという「そもそも論」も考える必要があるだろう。
まず、コスト削減が目的だとした場合、現状の体制で削減出来る見通しが無い、と言う事だが、組織に問題があるために成し得ないのであれば、今の体制とそれほど大きく変わるとは思えない、民営化後の組織ではコスト削減の達成については甚だ疑わしいところであろう。サービス・利便性の向上に関しても同様で、民営化しても労働者には変化が無いことから、現状とさして変わりは無いと思われるし、ましてやコスト削減を求められた場合、地方の不採算局が削減対象となる可能性は極めて高く、利便性が向上するとは到底思えないのだ。
規制緩和が目的とした場合、民営化する事で公正な競争を行い、市場原理に基づいた成果を産み出す事が期待されるが、既存の業界から見れば政府に保護された巨大なライバルの登場に他ならず、これを規制緩和と呼ぶのは詭弁であろう。
色々と目的を考察したところで、もともと何も目的が無いのであれば、見つけるのは困難なのだが、敢えて言うならば首相の個人的なパフォーマンスだろうか。改革を推進する事を旗印に国民の人気を集めてきた首相としては、任期満了までになんらかの成果を出して国民に対してアピールしなくてはならない、そういう事ではないだろうか。このところ、私にはそうと思えて仕方ないのだ。

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