2005/03/29

そのホワイトナイトは本物か?

新株発行権の差し止めが高裁で言い渡された事で、ニッポン放送を巡る争いが、ライブドア側に大きく傾いたと思っていた矢先、フジテレビ側に大きな援軍が出現した。メディアもホワイトナイトの登場だなどと騒ぎ立てており、ニッポン放送からフジテレビ株を借り受けるという、法律的にどうなのかという手法はともかく、フジテレビにとってはライブドアの支配から脱する大きな援軍である。だが、援軍が本物でなかったとしたら、事態は混迷の度合いを増していくばかりである。
ソフトバンクと言えばIT業界の巨人で、昨年末にダイエーから球団を買収したことで記憶に新しいが、何年か前にはテレビ朝日を買収しようと画策したものの、各方面からの強い反発、批判を受けて断念した企業でもある。その際にフジテレビ会長である日枝氏が仲裁に入り、関係を修復できた経緯から、今回の支援が出てきたとも言われているが、果たして本当にそうなのだろうか。
ライブドア側からすれば、フジテレビ株を取得することで、フジサンケイグループ全体を掌握する予定が、思いもよらぬ支援により手に入れたのはラジオ局のみという状態となった事で、主導的に話を進める事が困難になってきたが、代わって主導権を握ったのがソフトバンクである。彼らが今もメディアの買収を狙っていないという確証はどこにもないのだ。ソフトバンク社長である孫氏は、友好的に提携する事を表明しているが、願わくば最後までその姿勢が変えず、間違ってもライブドア側に与する事がないよう、初志を貫いてもらいたい。

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