2005/03/16

フジテレビとは運命共同体?

ライブドアとフジテレビによるニッポン放送争奪戦に関して、先週末ニッポン放送のフジテレビに対する優先株発行の差し止め仮処分が決定したが、ここにきてライブドアの言い方に変化がでてきた。
これまでは支配だのなんだとかなり高圧的で強気な発言が続いていたホリエモンだが、このところは事業提携と言い出し、かなりニュアンスが軟化してきたように思われる。しかし、TOBを行っている企業の株を合法的にとは言え、抜け道のような手段で取得して敵対的買収を仕掛けながら、一方では協調を訴える。これではまるで、窓ガラスを叩き割って家に忍び込んだ泥棒が、家に帰ってきた人に挨拶しているようなもので、門前払いも当たり前と言うものである。友好的に事業提携の話をしたいと言うなら、いきなり相手の株を取得するような暴挙に出ず、まずは取引の申し入れを行うのが筋と言うものである。
もっとも、ライブドアとフジテレビの会談が実現しないのは、ホリエモンが会おうと言っているのはあくまでもメディアを通じて訴えているだけで、正式にフジテレビに対して会談を申し込んでいる訳ではないからだ。フジテレビ側は担当の役員がいることも明らかにしており、話を聞いて双方にメリットがあるのであれば、提携を考えてもよいと表明している。まさに大人の対応であり、フジテレビとしては最大限の譲歩といえるだろう。メディアを通じて訴える事で相手が会談を受諾するなどと考えているホリエモンは、ビジネスマンというよりは芸能人と呼んだ方が相応しい。
そもそもライブドア側は提携することでメリットがあると盛んに喧伝しているが、内容については株式を取得しているニッポン放送と関連した事業についてすら、まともに語った事がないのだ。これで提携を考えるような人間がいるとも思えないのだが、どう贔屓目に見ても事業提携など出来るとは思えない。大体、インターネットと使って新しい事を始めるような話をしているが、仮にメディアとITを融合させて何かを始めるとしても、ライブドアがパートナーとして相応しいかは甚だ疑問である。彼の会社は分類としては確かにIT関連企業だが、主たる収入源は買収企業からの利益である。その点からもニッポン放送の買収はマネーゲーム以外の何者でもないと考えられるが、それにも増して相応しくないと思われるのは、ホリエモンは何ら新しいIT関連サービスを立ち上げていないという事実だ。ライブドアそのものが買収によって手に入れた企業であり、そのIT関連事業も付随して手に入れただけなのだ。結局、ホリエモンは金儲けがうまいだけで、他には何も無いのだと言うことに、世間は早く気づいた方がよいだろう。

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