2009/01/21

民主党も期待薄か

民主党が本日、参議院に提出した「農林漁業及び農山漁村の再生のための改革に関する法律案」。どういうものかというと、一次産業である農業や畜産業において、販売価格が生産コストを下回った場合にその差額を補償するというもので、要するに一次産業に対する直接的な補償金を拠出するというものである。
なんというトンデモ法案をまたしても出してきたものだ。こんな法案を出すからには、例えば白菜を1個生産するためにどのくらいのコストが掛かっていて、小売価格がどのくらいで、生産者の懐にどのくらいが収まっているのかを計算しているのが当然だと思うのだが、そのあたりをどこまでキチンと考えているのかが全く見えてこない。
私の想像するに、生産者に対して十分な報酬が支払われていないのは、小売価格が安すぎるのではなく、中間で搾取される利益が過大すぎるからではないのだろうか。つまり、仲卸業者や農協、流通業者や商社だけが莫大な利益をあげており、一般の消費者が支払っている金額の大半がこれらの中間業者に吸い取られているせいで、生産者が苦しい生活を強いられているのではないのか、ということだ。これでは江戸時代の士農工商と何も変わっておらず、小作人が地主に多額の小作料を徴収されて死ぬか生きるかの生活を強いられてきたのと同じである。
政治が為さねばならないことは、収入を保証することなどではなく、中間の業者が搾取する産業構造を改革することであり、競争事業者の参入を妨げている商習慣や様々な規制を撤廃することで、高コスト体質となっている日本の産業構造を改革していくことだ。中間業者が搾取しているマージンが、全てとは言わないまでも適正な水準に抑制されることで、小売価格を高騰させることなく、生産者の収入を向上させることで生産意欲を促進することこそ、日本の食料自給率を改善していく原動力となるのであろう。こんなデタラメ法案を出してくるようでは、次回の選挙で民主党が勝利したとしても、日本がよくなる期待は持てないだろう。世も末だ。。。。

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