2009/01/19

中華街・龍門

本日、新しい店を開拓してみようということで、中華街をうろうろした結果、これまで一度も入ったことがない、「龍門」という中国家庭料理と銘打った料理店に入ってみることにした。この「龍門」、市場通りと中華大通りに2店舗を出店しているようなのだが、今回はあまり中華大通りの店には入っていないことから、迷わず大通りにある新館に入ってみることとした。
休日のお昼時ともあれば、それなりに混雑しているのは当然なのだが、超人気店と違ってちょうど出てきた客と入れ替わりにすんなりと席に着くことができた。今日は何か麺類を食べようかと思っていたのだが、メニューを眺めてみた結果、注文したのは「あんかけ炒飯」と「五目焼きそば」、それに「ニラ饅頭」であった。ついでに休日なので生ビールも一杯注文し、さっそく飲みながら料理が出てくるのを待つことしばし。
しかしながら、予想していたよりも遥かに早く、五目焼きそばが供されたのは、ややあっけに取られてしまったと言っても過言ではないだろう。何しろ、生ビールを飲み始めて半分も飲まないうちに、料理がでてきたのである。私の場合、中華料理屋で料理を注文すると、最初の一品が出てくる前に最初に頼んだビールは大概、飲み干してしまい、2杯目を頼むかどうかで悩むことが多いにも関わらず、それを遥かに上回るスピードで供されたのである。普通に考えれば、作り置きがされていたのか、あるいは他の客に供するべきものを順番を間違えて持ってきてしまったのか、どちらかだと勘ぐるのが普通というものであろう。続いて「あんかけ炒飯」までが早々に出てきた時点で私の中にあった疑惑は確信にまで大きくなってしまった。これは作り置きをしているのに違いがないのだと。
食べてみると、味は美味しく感じられるのだが、なんとなく他の中華料理屋ではあまり感じない感覚がある。確信があるわけではないが、恐らくこれは化学調味料を大量に使っているせいなのではないだろうか。この感触は、店を出て暫くたっても、いつまでも口の中にその残滓がこびりつき、一体どういうつもりなのかと拭いがたい不信感となって私の心に刻み付けられた。もっとも、これは化学調味料のせいではなく、作り置きをしていたせいなのかもしれず、料理評論家ならぬ私の舌では原因を特定するには至らなかったが、心の中の行かない店リストに載ったことは間違いない。
2品を小皿に取り分けて、大皿が空いたところで店員が皿を下げていったのだが、その際に事もあろうに、まだ食事をしているテーブルの上に、別の客から下げてきた皿を置き、そこに私が取り終わった皿を乗せて下げていったのである。食事をしているテーブルの上に、別の客から下げてきた皿を置くなんて!こんなマナーの悪い店は、日本はもちろんの事、中国でも香港でも台湾でも、それがどんなに庶民的な小さな店であっても、これまで経験したことのない酷い扱いであった。この瞬間、他の料理が出てきてから相当の時間が経っているにも関わらず、まだ供されていない「ニラ饅頭」を食べる気はゼロになり、おもむろに立ち上がるとタイミング悪く店員が運んできた「ニラ饅頭」を強引にキャンセルし、支払いを済ませて店を後にしたのであった。
他のサイトでは、分かってるんだか分かってないんだか、この店を持ち上げているような記事が多く見られるようだが、私にとっては長い中華街との付き合いの中で、1,2を争う最低な店にランキングされたことだけは確かである。それにしても、またしても私が勝手に作り上げた中華街の良店・悪店を見分ける基準が正しいことが実証されてしまった。その基準とは、店で最初に出てくるのがお茶か水か、というもので、お茶を出してくるところでは、それほど酷い店はない、というものである。当然ながら、この店も最初に出してきたのは冬にも関わらず水であった。水が出てきた時点でそれと察して店を出ればよかったのかも知れぬ。とりあえず、私はこの店には二度と行かないのでこれ以上の害を被ることは無いだろうが、知らないで訪れた人が酷い目に遭って、二度と中華街に来なくなるようなことは避けて欲しいものである。

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