2011/03/25

計画停電はゲーム感覚なのか

3月11日に発生した、東北関東大震災(正式名称は決まっていないが、日本赤十字社の呼称をここでは採用する)の影響で、いまだに東北地方の、特に津波の被害に遭われた地域については、電気はおろか通行すらままならない状況が続いており、50万人とも言われる避難者は避難所での不便な生活を強いられている。そんな中、関東地方でも原発を始めとした発電所が大きく損傷したことによる発電量の低下に伴い、各地域ごとに時間帯を決めて電気を止める、計画停電が日々、実施されている。しかし、東京23区内はなぜかほとんど計画停電の対象に組み込まれていなかったり、同じ停電の対象にも関わらず、停電する地域としない地域に分かれるなど、不公平感が高まるのにつれて、東京電力はこれまで、5つのグループに分けて実施するとしてきた計画停電を、さらにそれぞれ5つのサブグループに分割して、不公平感を低下させた上で、実施すると発表した。

発電の絶対量が不足しているのだから、計画停電を実施して、関東全域が大規模な停電に襲われる事態を回避する、という目的は理解できるし、不公平感がないように配慮したい、というのも分かる。だが、東電の対応を見ていると、まるで、初めて買ってきたゲームの箱を開けて、どうやったらうまく駒を並べることができるのかと思案している子供を見ているような感覚に襲われる。まるで行き当たりばったりで、ここにきてさらに5つのサブグループに分割するなど、それならなぜ最初から25のグループに分割しなかったのか、そもそも、この5グループという単位になにか論理的、物理的な理由があるのか、それすら何の説明もないまま、唐突に、さもそれが最善の計画だと言わんばかりに発表し、どこと調整することもなく、推し進めているように感じられてならないのだ。おそらく、その通りなのだろう。

こんな適当な対応しか出来ない会社が、これまで原発を管理・運営してきたのかと思うと、背筋が凍る思いだが、残念ながらこれは現実的な危機として、徐々に(急速に、か?)日本の国土を冒しつつある。水道水から乳児が摂取することを控える基準である、1ℓあたり100ベクレルを上回る放射能を計測したと報道されていたが、原発から40kmも離れた飯舘村では、雑草から1kgあたり265万ベクレルという、途方もない数値のセシウムが計測されているのだ。なぜこれがもっと、テレビなり新聞なりで、大々的に報道されないのかが腑に落ちないが、到底、この周辺に人が住むことは相当な長期間に渡って不可能と言っても差し支えないほどの数値であり、30km以内は屋内退避などという、生ぬるい規制では放射能汚染からの避難としては、まったく機能していないことが明らかとなっている。即刻、半径50km以内からの撤去を各自治体に求めるべきであろう。

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