2011/03/19

これ以上、何を隠すことがある

3月11日の午後、未曾有の大地震に見舞われた日本列島。現在も各方面では警察消防をはじめ、地震があったばかりのニュージーランドからも駆けつけてくれた海外の救援隊、ボランティアなど、さまざまな支援、救援活動が展開されている。被災地で苦しい避難生活を余儀なくされている避難民の方々は、精神的にも厳しいだろうが、なんとか復興まで頑張ってほしいとエールを送りたい。

そんな中、地震直後から停止、メルトダウンが近づきつつある福島第一原発では、いまも消防、警察、自衛隊と、当事者である東電が懸命に最悪の事態を回避するために復旧作業を進めている。しかし、報道やネット上の情報を見る限り、すべての状況は明らかにされておらず、一部の情報についてはいずれの作為的な判断に基づくものなのかは分からないが、隠蔽されているらしいことがわかってきている。

たとえば、福島県内での放射線計測値は、通常であれば、ホームページなどで逐次、計測された値が公開されているが、現在は地震の翌日から更新が停止したままである。地震の直後から停止しているのであれば、その影響なのだろうと推測できるが、12日から更新されていないのは、明らかに公表したくない(できない)数値が計測されたため、意図的に更新を停止したとしか思えない。また、米軍が無人偵察機で撮影した現場上空からの映像についても、車のナンバーが分かるほど詳細なものであるのに、日本政府の判断で公開されていない。おそらく、これまで公表されてきた状況よりも、遥かに深刻な原発の状況が鮮明に映されているため、食い違いを説明できず、隠蔽されているのであろう。

現在、東電による電源の復旧作業が続けられていると報道されているが、上記の情報から推察すると、問題が発生している1号機から4号機までのいずれか、あるいは全てで、到底、電源を繋いだだけでなんとかなるような状況では無いのだろう。特に、圧力抑制室が破損した可能性が高い2号機については、たとえポンプが稼動したとしても、冷却に成功する見込みが薄く、それが誰の目にも明らかなくらい、鮮明に映し出されているがために、米軍からの提供映像を公開することを躊躇しているのではなかろうか。

しかし、国民の生命を守るのが政府の役目であるとするなら、この期に及んで、自らの保身に走るのは言語道断であり、即刻、全ての情報を公開し、直ちに避難する必要のあるエリアが、実際には現在の30km圏内ではなく、100km圏内であるなど、深刻な状況を正確に伝えて欲しいものである。国民の生活が第一、とは、安心して生活してもらうために、不都合で不安を感じさせる情報を伝えない、ということではない。まさか、原発の問題と、震災からの復興目処がたてば、お払い箱になることが目に見えているため、出来るだけ問題を長引かせたいとか、そんな恐ろしい事を考えているのではない、とは信じたいが。。。

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