2011/11/01

あまりに稚拙なTPP賛否議論

いま、日本の将来を大きく変える可能性があるTPP交渉への参加是非を巡って、与野党入り乱れて賛否両論での議論が行われているが、その内容たるや、なんと稚拙なことか。反対派は、農業や零細企業が立ち行かなくなるの一点張りで、端から見ていると既得権益、既存産業を守ろうと言う意図しか見えない。じゃあ、具体的に導入されたらそれらを守るために何が必要なのか、何のために守るのか、なくなったらどうなるのか、そのあたりの予測や考えは一向に出てこない。

賛成派にしたところで、輸出産業の競争力が失われると訴えては、伝家の宝刀よろしく使い古された産業の空洞化を持ち出すばかり。具体的に産業の空洞化が進むと、いや、実際には既に海外現地生産が進んだ今、どう空洞化するのかと言う話もあるが、どうなるという説明も予測も一切出てこない。導入した場合のデメリットだってあるはずなのにそれには触れず、否定派に指摘されるとメリットを強調するか、やらないとはじまらないなどと精神論まで持ち出す始末。これがこの国の政治家のレベルなのかと考えると、TPPなんか導入したら、したたかな海外勢にあっという間に蹂躙されてしまうのではと、心配になるのは私だけではないだろう。

頼りにしたいマスコミも政治家とコメンテーターを招いての討論を流すばかりで、独自の取材や調査に基づいた予測など欠片も見られない。こんな状態であと二週間後くらいに参加表明を決断するなんて、よもや本当に時間切れなので、とりあえず参加しますなどと言い出すつもりなのだろうか。そんなことしかできないのなら、政治家など無用の長物である。とっとと、アメリカの51番目の州にでもしてもらった方が国民にとっては幸せかも知れぬ。

あぁ、こんなんだったら天皇主権の方がマシだよ。情けないにも程がある。
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