2006/01/23

ライブドアは化けの皮が剥れたか

先日、ライブドアとその関連会社に対して、突然の強制捜査が実施され、メールなど資料が多数押収されるとともに、経営幹部の役員などから粉飾決算、偽計取引、インサイダー取引などについての事情聴取が行われており、社長である堀江氏の逮捕やライブドア株の上場廃止など、憶測が世間を飛び交っており、ニュースのネタには事欠かない状態となっている。
国内での騒ぎの大きさと比較して、海外メディアの声とてはあまり大きくは報じられておらず、エンロンの粉飾決算などと比較するのは妥当ではなく、せいぜいカリスマ主婦のマーサ・スチュアートが脱税容疑か何かで告発された
のに匹敵する程度のあまり経済的には重要な問題では無いように扱われている。それよりも取引件数が増大した事を理由に、東証が取引を停止したことの方を問題視されているという意見もあれば、過去様々な証券取引所で取引が停止するのは株価が下落した局面でしか発生していない、という辛辣な意見もあり、何が本当なのかも分からない状況が続いている。
報道では(かなりの部分を予想が占めているため、正確には報道ではなく意見とでも言うべきだろうが)検察の捜査ではライブドアは過去の株取引に関して、証券取引法違反があり、いずれは堀江社長も逮捕されるという意見が大勢を占めているようで、確かに検察が突然これだけの大規模な捜査を何の証拠もなく始めるとは考えにくく、最終的なシナリオとしては逮捕まで行き着くのが自然な流れのように感じられる。これまでライブドアという会社の株式をおもちゃの様に弄り回し、巨万の富を生み出してきた堀江氏だがついに化けの皮が剥がされる時が来た、と思う方も多いのではないだろうか。しかし問題は、堀江氏がかぶっている皮が、これで全て剥れたと考えてよい
のかどうかという点だ。
確かに、証券取引法については違反した事実があるとして、投資組合を通じての不正な情報操作、関連会社からの利益付け替えによる粉飾決算、インサイダー取引に至るまで、証券に関する事項はおおよそ網羅されているように思うが果たして彼が行ってきた錬金術はそれだけであったのか、ということだ。ここに挙げたような手法は、ある程度知識がある人間であれば、隠蔽工作をどの程度巧妙に行えるかを問わなければ、誰でもが実践できることで、多かれ少なかれ実施している企業はあるだろう。にも関わらず、ライブドアだけは非常に優れた業績を挙げており、次々と企業の買収を手がけては規模を拡大してきている。
果たして堀江氏が行っているのは証券取引を巧妙に行うことだけだったのか、それ以外に何かより効果的な錬金術とも言われる手法があるのではないだろうか。第二、第三のライブドア出現を防止するためにも、検察にはライブドア経営陣が実践してきた経営手法の解明が求められている。

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