2012/04/08

環境省と民主党、いったいどちらの問題か

水俣病被害者救済法による救済措置を巡り、被害者救済団体として活動している、熊本県水俣市の水俣病不知火患者会などが集団検診を行い、被害者の掘り起こしを続けていることについて、地元11団体との意見交換のため熊本県などを訪れていた民主党の横光克彦環境副大臣が、別の団体と面会する中で「(7月末の)救済法の申請期限が来た後は(ほかの団体に迷惑がかかるので)慎んでもらいたい」と発言していたことがわかった。集団検診で被害者の掘り起こしを続けた場合、救済法で定められた、7月末で申請を締め切れないのではないか、という質問に対して、いつまでも集団検診を続けた場合、他の団体が期待する地域振興などの施策に影響がでるので、早々に打ち切ってもらいたいという趣旨で返答したものだという。

水俣病不知火患者会は、この発言に対して、(被害者の数をこれ以上増やしたくないという)環境省の素顔が見えた、と批判した上で、今後も被害者の掘り起こしを継続することを表明した。横光環境副大臣は、その後の記者会見で真意を問われた際に、「申請を目的にした掘り起こしを続けても、窓口がなくなった後では意味がないという趣旨」と釈明したが、それが後付の言い訳に過ぎず、実際には前述したとおり、被害者数の拡大を回避したいという意図からのものであることは、確認するまでもないだろう。

ただ、これが環境省の素顔というべきか、民主党の素顔というべきかは、不明である。恐らく、副大臣は環境省の官僚からの説明を受けて、面会に臨んでいると思うが、それを是とするのが生活第一を謳っている民主党の真の素顔なのか、単に官僚の思うままに操られているのかは、分からないということだ。ただ、環境省の素顔であったとしても、副大臣ともあろうものが、そんな官僚達の傀儡政権よろしく、言いなりになってしまっていいのか、という、また別の問題はあるのだが。

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