2014/05/11

福島の真実はどこにあるのか

美味しんぼに掲載された、福島の真実編という副題の掲載内容に福島県を初めとして、風評被害を助長するという抗議が相次いでいる。掲載の中で、主人公や前双葉町長などが、鼻血が出る、疲労感がある、として、被爆が原因ではないのかと疑問を呈するような発言をしており、これに対して、このような事実はない、と二葉町や福島県が抗議をしている、という構図である。しかし、確かに一般のマスコミの報道では、そういった問題が発生しているという事はいっさい、聞いた事がないが、だからと言って、そんな事実は無いと言えるほど、マスコミの報道を信用していない、というのもまた事実である。いったい、福島の真実はどちらが正しいことを言っているのか。

方や、福島県を始めとした現地住民側の情報だが、確かに現地の人間が言っているのだから、それが一番真実なのではという見方もある一方、実際にそういった影響が出ていた場合、風評被害どころではない、本当の情報に基づく打撃を受けてしまう産業面の影響を考えると、事実を隠蔽することによって得られるメリットを完全には否定できない。一方の掲載者側だが、真実でないことに基づいた情報発信によって風評被害を引き起こしたとなれば社会的責任を免れえず、そう考えると取材に偏りがあったかは定かではないものの、一定の事実はあるのではないのか、とも考えられる。しかし、こうやって抗議によって注目度が高まることによる露出アップの効果を考えると、何らかの思惑を持っているのではないのか、という不信感も否定しきれない。

結局、現状ではどちらも科学的な根拠に乏しいことを言い合っているに過ぎず、なんらかの根拠を示してもらわなければ、小保方さんじゃあるまいし、おいそれと信用する訳には行かないといったところである。ちなみに、平成23年度以降、毎年実施されている、福島県での甲状腺検査の状況で、25年度は途中経過までしか集計されていないが、甲状腺にしこりがある(要は放射線の影響で増加しているのかどうか)と診断された人の割合は、1.2%から変動しておらず、放射線の影響によって徐々に増えているとか、そういう状況では無いことが分かっている。ただし、もちろんの事だが、結果が政府や自治体によって捏造されているのでなければ、という前提はある。受診する人数は年々、大幅に増加しているにも関わらず、3年もの間、比率が一切変動が無いのは、本当に正しい結果なのだろうか。

ちなみに、鼻血の件について、そんな事実は無いと抗議しているが、双葉町復興まちづくり委員会の議事録で、委員の一人である高野氏が、鼻血が出て、県や国に連絡しても一切、取り合ってくれなかった、という発言をしているのが記録に残っている。これはいったいどういう事なのだろうか。いずれ、真実が明かされる日が来ることを信じたい。
双葉町復興まちづくり委員会議事録

0 件のコメント:

コメントを投稿