2012/07/01

維新は何をしたいのか

大阪都構想を掲げ、大阪府と大阪市の二重行政による無駄を削減、効率化して弊害を排除するとしてきた橋下大阪市長率いる、いわゆる「維新の会」だが、ここにきて、橋下氏の発言から何を目指しているのかが分からなくなる状況に陥っている。

当初の構想では、あくまで二重行政を解消するのが目的であり、昨年9月の発言では、「別に名前にこだわっているわけではない」としていたにも関わらず、ここにきて、6月末の発言で「名前がすべてなのにセンスがない。都がダメなら、州でもいい。」 と、まったく反対の意見を表明し、大阪都の実現に向けて動き出していた国政を混乱に陥れているのだ。なにしろ、当初の意向から、名称については特に問わないこととし、法案にも全く名称の変更については触れないまま、大阪府と大阪市の二重行政を解消するための内容が盛り込まれていたのが、突然、名称を変更しなければ意味がないとまで言い出し、成立を目指してきた法案を否定し始めたのだ。

これに対し、国政の政治家、官僚からは、法案を成立させて二重行政を解消することなど元々、橋下氏の頭にはなく、あくまで改革を国が潰したという理屈を通したいがために、国政が難色を示しそうな大阪都構想を打ち出したものの、実現する目処がたってきたことで慌てて、今更受け入れられないような、名称の変更を必須の要件とすることで、法案成立のハードルを引き上げたのではないかという声が上がっている。それはそのとおりで、本当に名称をなんとかするのだとしても、法案が成立したあとで修正を進めていけばよいのであり、成立間近のこの時期に表明するのは不自然であり、真に大阪都を目指しているものの発言としては、疑念を抱かざるを得ない。

やはり、橋下氏の野望は、国の首長に収まることで、なんら改革を進めることではなく、あくまで大阪での実績とそれに反対する国政という図式を作り出し、世間の耳目を集め支持を得るために、大阪都構想という、注目されそうな政策を打ち出しただけなのではないのか。早い話が、橋下の野望のために、大阪府と府民は捨石、踏み台にされただけではないのか、そろそろ、そういう声が高まってきてもおかしくない時期にさしかかろうとしているように感じる。本当に日本国民のことを考え、改革を進めようとしている者が誰なのか、果たしてそんな人間、政治家がこの日本にいるのか、改めて、先入観の無い視点で見つめ直した方がよいのかもしれない。


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