2013/10/13

自分の身は自分で守る

東京三鷹市で起きたストーカーによって18歳の女子高生が殺害された事件だが、警察の対応に不備があったのではないのか、相談したのに加害者に電話して警告しただけで済ませたとは何事か、きちんと対応していれば防止できた、という論調が広がっているが、果たして警察にそこまでの対応を求めるべきものなのか、と考えてみたい。

確かに警察は犯罪を抑止、捜査し治安を維持するのが目的で活動しているが、だからと言って市民1人1人の安全を個別に確保してもらえると考えるのは、過剰な期待というものではないのか。例えば、企業の敷地や建物などは不審者が入ってくる可能性があり、それを防止することが求められるが、警察に不審者が徘徊しているので対処して欲しいと頼むだけで敷地内を巡回してくれるのであれば、警備会社は倒産である。

もちろん、今回のストーカー犯に対して警告したり、不法侵入した事実があれば捜査・逮捕するなりの対応をとるのは当然なのだが、被害にあっている個々人の安全を確保しなければならないのだとしたら、その対応だけで警察の対応能力はあっと言う間にパンクしてしまう。事件が起こるたびに、対応が悪い、改善しろ、法律が、と批判が集中しては、謝罪と改善の約束を繰り返しているが、一向に改善しないのは、要するに対応の限度を超えていると言う事なのだろうと思う。警察の罪は、対応できる範囲、できない範囲を明確に説明せず、批判されているからなんとなく、対応すると言ってしまっていることではないのだろうか。

亡くなられた鈴木沙彩さんは本当に気の毒でならないが、今後、こういう事件を防止するためにも、警察は個々人の安全を確保する事は出来ないことを明確にして、その部分は民間の警備会社などで対応いただく範囲になるという事を、きちんと説明してもらいたい。警備会社に依頼すれば、当然お金はかかってくるが、安全には代えられないのだと、我々市民も納得する必要があるのだろう。安全はタダでは無い、という事だ。

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